研究課題/領域番号 |
21K14529
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
今井 正樹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (10796329)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | フェリ磁性 / 角運動量補償 / 磁気回転効果 / バーネット効果 / NMR / スピンメカトロニクス / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
フェリ磁性体の内部角運動量が消失する角運動量補償温度では磁気応答や磁壁移動度が高速化されるため、磁気デバイスの性能向上の礎となる。申請者は力学回転と角運動量の相互作用(バーネット効果)を利用して希土類ガーネット角運動量補償温度の測定に成功した。本研究ではバーネット効果及びNMR測定を使った角運動量補償をもつ物質の探索および角運動量補償での磁気ダイナミクス現象の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
希土類鉄ガーネット等の一部のフェリ磁性体では反強磁性的に結合した異なる磁性イオンにおいて、それぞれの秩序変数の温度変化が異なることから磁化が全体で消失する磁気補償温度や角運動量が消失する角運動量補償温度を示す。角運動量と直接結合する力学回転を用いれば、角運動量補償温度が求められる。当研究ではバーネット効果を利用し希土類鉄ガーネットの角運動量補償温度を決定した。また、NMR測定において信号強度が角運動量補償温度で増強される現象を確認した。これは角運動量補償での磁壁移動度の増大によるものと解釈される。NMR測定から角運動量補償温度が推定可能であることを示す結果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピントロニクスの重要な材料である希土類鉄ガーネット等のフェリ磁性体において、磁化の運動が早くなる角運動量補償温度近傍では磁気デバイスへの様々な応用が期待される。今回我々は、バーネット効果測定装置の感度および温度変化測定装置の改良を行い、さまざまなフェリ磁性体での角運動量補償の観測を可能にした。また、NMR測定の信号強度から角運動量補償温度を推定する手法を使えば、原理的により微小な試料かつ単結晶、粉末など試料形状を問わず測定可能であり、角運動量補償を示すフェリ磁性体の探索がより容易になる。
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