研究課題/領域番号 |
21K14530
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岡野 元基 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90880237)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | バレー流 / バレートロニクス / グラフェン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ジュール損失を伴わない情報処理の手法として、角運動量の流れを活用したスピン/バレートロニクスが注目されている。特に電子のスピン自由度の流れであるスピン流は異種物質間での移動が可能なことから、様々なデバイス展開が提案されている。一方でバレー流は、物質の外部に取り出せないために検出手法が限られ、活用法が少ない課題がある。しかしスピン流に比べて、変換効率が10倍以上大きくゲート電圧で制御できる特徴を有しており、バレー自由度の新たな利用展開を創発することが重要である。そこで本研究計画ではグラフェンに強磁性金属を接合し、界面の磁気的相互作用を介してバレーの検出・定量評価を行う手法を考案し実証する。
|
研究実績の概要 |
近年、ジュール損失を伴わない情報処理の手法として、角運動量の流れを活用したスピン/ バレートロニクスが注目されている。特に電子のスピン自由度の流れであるスピン流は異種物質間での移動が可能なことから、様々なデバイス展開が提案されている。一方で物質の結 晶構造に由来した角運動量の流れであるバレー流は、物質の外部に取り出せないために検出手法が限られ、活用法の提案も少ない課題がある。しかしスピン流に比べて、電流-バレー流の変換効率は10倍以上大きくゲート電圧で広範囲に制御できる特徴を有しており、バレー 自由度の新たな利用展開を創発することが重要である。そこで本研究計画では、バレーが蓄積したグラフェンに強磁性金属を接合し、界面の磁気的相互作用を介してバレーの検出・定量評価を行う手法を考案し実証することを目的とした。グラフェンの端部に蓄積したバレー自由度は磁気モーメントを持つことから、磁性体を接合することで磁化にトルクを与える。 その結果生じる磁化揺動を磁気抵抗効果により検出し、バレートルクの定量評価法を確立する。 本年度はまずスコッチテープ法により、六方晶窒化ホウ素で挟まれた二層グラフェン膜を作製した。物質材料研究機構より提供された世界最高品質の六方晶窒化ホウ素結晶を用いることで高移動度の特徴を有するグラフェン膜を用意した。また、バレートルクの検出には、磁気抵抗効果が大きな強磁性金属であるNiFeを用いるため、電子線描画装置と超高真空蒸着を用いて、グラフェン膜とNiFeとが電気的に接合した素子を作製した。
|