研究課題/領域番号 |
21K14532
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河底 秀幸 東北大学, 理学研究科, 助教 (20757132)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 正方格子 / ニクトゲン / エピタキシャル薄膜 / 超伝導 / 高移動度 / Bi正方格子 / Sb正方格子 / 多層膜固相エピタキシー法 / 分子線エピタキシー法 / アンチモン正方格子 / 希土類モノニクタイド / ビスマス正方格子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ニクトゲン正方格子のみが電気伝導を担うRE2O2Pn (RE = 希土類元素; Pn = Sb, Bi)に着目し、多層膜固相エピタキシー法によりエピタキシャル薄膜を合成し、エピタキシャル歪み・化学ドーピング・極薄膜化により、高移動度や超伝導の実現をめざす。また、移動度と超伝導転移温度における次元性・キャリア密度の役割を体系的に明らかにする。さらに、単原子正方格子の原子層物質という新しい研究領域の基盤構築をめざす。
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研究成果の概要 |
多層膜固相エピタキシー法を用いて、La2O2Biエピタキシャル薄膜を初めて合成し、既報の多結晶試料の3倍の高移動度を実現し、La2O2Biが半金属であることを明らかにした。また、分子線エピタキシー法によるLa2O2Sbエピタキシャル薄膜にも成功し、La2O2Sbエピタキシャル薄膜における劇的な抵抗低減の起源がSb欠損にあることを明らかにした。さらに予想外の展開として、多層膜固相エピタキシー法により、1000℃近くの高温条件で、LaSbとLaBiの薄膜合成を実現した。また、Y2O2Bi多結晶試料に対して、様々な元素置換を施すことで、酸素挿入に限らない超伝導転移温度のc/a比依存性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グラフェンの発見以降、単原子の原子層物質はハニカム格子系を中心としてさかんに研究されている。そうした中、本研究では、単原子正方格子層を含む層状物質La2O2Pn (Pn =Sb, Bi)のエピタキシャル薄膜の合成を実現し、電子物性を評価した。ハニカム格子系に肩を並べる成果とは言い難いが、単原子正方格子という新しい系を開拓できた点に学術的な意義がある。また、多層膜固相エピタキシー法によって、単原子正方格子物質だけではなく、岩塩構造のLaPnの薄膜合成も実現できたことから、蒸気圧の高い元素を含む物質の薄膜合成における多層膜固相エピタキシー法の有用性を示すことができた。
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