研究課題/領域番号 |
21K14535
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石田 高史 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (60766525)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | フォトカソード / 薄膜 / 光励起電子源 / 薄膜フォトカソード / 六ホウ化ランタン / 電子銃 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の電子源は放出電子数にばらつきがあり、そのばらつきが雑音となり電子顕微鏡像の像質を制限してきた。本研究ではこの制限を克服するためにこれまで電子源の電子放出性能を低下させるとされてきた空間電荷効果を活用し、放出電子を整列させることで量子雑音の低減を目指す。具体的には、空間電荷制限下で動作する薄膜フォトカソード電子銃を作製し、量子雑音が低減された連続・パルス電子線の生成および観測を行う。
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研究成果の概要 |
空間電荷効果を活用した電子線の雑音低減に向けて裏面照射型薄膜フォトカソード電子銃の開発および雑音低減された電子線の生成・測定を行った。裏面照射型薄膜フォトカソードの開発では、薄膜フォトカソードはパルスレーザー堆積法により六ホウ化ランタン薄膜を作製した。また、その結晶性と組成を走査透過電子顕微鏡で評価し、六ホウ化ランタン薄膜結晶を作製できることがわかった。さらに、本薄膜フォトカソード電子銃をもいて空間電荷効果が現れる低加速電圧で光電子放出の実験を行い、空間電荷効果による放出電子数の減少を確認ができ目的とした電子線の生成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で生成した電子線は電子顕微鏡に応用すれば低線量観察を強いられる電子線ダメージに弱い生体試料や高速現象のイメージングにおいて像質の向上が期待できるため、より電子線ダメージに弱い試料の構造解析や時間分解イメージングへの時間分解能向上に寄与できる。また、本研究で開発した六ホウ化ランタンをもちいた裏面照射型薄膜フォトカソード電子銃は取り扱いが容易であるため、さまざまな電子線応用装置の光励起電子源としての利用も期待される。
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