研究課題/領域番号 |
21K14543
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
河村 泰樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (80803858)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 温度標準 / ITS-90 / 三重点 / 精密温度計測 / 水銀 / キセノン / 熱力学温度 / 水銀の代替 / 温度定点 / 熱力学温度測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、熱力学温度の最良近似となる実用温度目盛を水銀フリーで実現することを目的として、水銀フリー実用温度目盛の新規温度定点候補であるキセノンの三重点の高精度実現を行うとともに、その三重点の熱力学温度を音響気体温度計によって明らかにする。また、申請者がこれまでに開発してきた新規温度定点候補である二酸化炭素、六フッ化硫黄の三重点の熱力学温度も明らかにすることで、水銀フリーな次世代の温度標準の構築へと繋げる。
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研究成果の概要 |
本研究では、熱力学温度の最良近似となる水銀フリーの実用温度目盛を実現することを目的とする。低温域において、現行の国際温度目盛の実現に必要不可欠な水銀の三重点の代替として、二酸化炭素、六フッ化硫黄、キセノンの三重点に着目し、これらの代替定点候補を水銀の三重点における校正不確かさと同等の不確かさで実現することに成功した。また、代替定点候補を用いた水銀フリー温度目盛を構築し既存の国際温度目盛と比較した結果、不確かさの範囲で同等であることを明らかにした。また、代替定点候補の熱力学温度計測に向けて、低温用の音響気体温度計(AGT)を開発し、水銀の三重点温度において高精度な熱力学温度計測を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水銀の生産、輸送、使用に関する国際的な規制が年々強まる中、水銀の使用が必要不可欠である国際温度目盛の水銀フリー化は大きな課題であり、国際単位等に関して課題を具体的に検討する国際度量衡委員会の測温諮問委員会においても問題視されている。本研究の成果は、水銀の代替として二酸化炭素、六フッ化硫黄、キセノンを利用することで既存の国際温度目盛と同等の温度目盛を実現可能であることを示しており、将来的な水銀利用の低減に貢献することが期待できる。本成果は測温諮問委員会においても情報が共有されており、国際的な温度標準の持続、すなわち温度計測の信頼性を確保し続けるための重要な結果となり得る。
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