研究課題/領域番号 |
21K14544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
嶋 紘平 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40805173)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 酸化亜鉛 / 励起子ポラリトン / ポラリトンレーザ / 励起子 / ZnO / Polariton laser |
研究開始時の研究の概要 |
励起子束縛エネルギーが59 meVと半導体中で最大級であるZnOを用いた紫外ポラリトンレーザは、(Al,Ga)N系の紫外半導体レーザとは異なる動作原理に基づく超低閾値コヒーレント光源として期待されている。しかし、室温における巨大なラビ分裂量(理論値:191 meV)の計測および電流注入によるポラリトンレーザ発振が未だ達成されていない。本研究では、欠陥および不純物が少ないバルクZnO単結晶を出発材料とするトップダウンプロセスを採用し高品位なZnO微小共振器を作製する。その上で、(1)光励起による室温での巨大ラビ分裂量の計測、および(2)電流注入による室温でのポラリトンレーザ発振を目指す。
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研究成果の概要 |
超低閾値なコヒーレント光源として期待されるポラリトンレーザの室温電流注入発振を目指した。①水熱合成バルク酸化亜鉛単結晶を機械的・化学的方法により光の波長程度の厚さまで薄膜化し、かつ長い励起子寿命を確保するプロセスを確立した。②光励起型の微小共振器を作製し、角度分解反射測定により共振器ポラリトンの上枝・下枝のエネルギー分散を測定し、共振器ポラリトンの安定性指標であるラビ分裂量が従来の実験報告値(130 meV、低温)よりも数十 meV高いことを確認した。③電流注入型素子を作製し整流特性を確認した。これらの成果は、ポラリトンレーザの安定室温動作に繋がる重要な成果であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で実現されたZnO微小共振器は、励起子ポラリトンの安定性を制限する要因である欠陥および不純物の濃度が従来よりも低いと考えられる。その結果、ポラリトンレーザ発振の閾値励起キャリア密度が低減されると考えられ、最終的には電流注入によるポラリトンレーザ発振に繋がると期待される。ZnOポラリトンレーザは、近紫外線波長域において従来の半導体レーザよりも低い閾値電流密度でコヒーレント光を呈する可能性がある。省エネルギー固体光源として、高演色性白色光源、高密度光情報記録素子、樹脂硬化、スキンセラピー、血液センシングなど、環境・情報・医療などの分野に貢献できる。
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