研究課題/領域番号 |
21K14555
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
工藤 哲弘 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20768270)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 光マニピュレーション / 中赤外レーザー / 分子選別 / 赤外分光 / 光ピンセット / 分子振動共鳴 / 光熱トラップ / 光トラップ / 光輸送 / 中赤外光 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の輻射力の理論では時間平均することで相殺する時間振動項があり、この項を除いた表式を用いることが常識的であった。しかし、電場波形が一周期に満たないサブサイクルであると、この項による影響は相殺することなく、新しく寄与する輻射力が現れると考えられる。それに伴い物質に働く輻射力の振幅と向きが大きく変調し、従来の連続光よりも低いレーザー強度で効率的なナノ物質光操作が可能になると予想される。本研究では理論実験双方の観点から、研究室のサブサイクルの技術を利用して、従来の連続光トラップよりも自由度の高い効率的なナノ物質光操作等の可能性について探求する。
|
研究成果の概要 |
中赤外領域のレーザー光源を用いた輻射力による新しい光操作実験を遂行した。超短パルスレーザーを用いた実験計画からは予定を修正しているが、次に示す2つの成果を挙げることができた。1つ目として、中赤外量子カスケードレーザーを用いて、特定の分子振動を励起することで、その物質のみを選択的に光輸送できる機構を発見した。世界で初めての成果であり、分子構造に応じたクロマトグラフィーが可能になると期待される。2つ目は、中赤外ファイバーレーザーを用いた溶媒加熱による光熱トラップの技術を提案した。我々の手法では、水溶液中にレーザーを照射するだけで、溶媒内の微粒子等を局所的に濃縮させることができる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロマトグラフィーや電気泳動等の技術は、生体分子や化学薬品などを選別するために非常に重要な技術であり、様々な領域において利用されている。本研究では、レーザーの輻射力を利用することで、特定の分子構造を有する物質のみを選択的に光操作できることを世界で初めて示した。本中核と成る発見を更に展開、発展させることで赤外吸収スペクトルに応じた光クロマトグラフィーが可能になると期待される。
|