研究課題/領域番号 |
21K14580
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡本 拓也 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (40888608)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ペロブスカイト / 共振器 / エネルギー移動 / 蛍光 / レーザー / 量子ドット / 蛍光増強 / 結晶 / 欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はサブnmオーダーの半値幅と低閾値化、そしてレーザー発振モードの選択を同時に達成可能なナノレーザーを開発することである。近年、高い蛍光量子収率を示すペロブスカイト結晶がレーザーの媒質として注目されているが、より効率よくレーザー発振するための結晶と共振器との結合波長に関する知見が不足している。本研究では、ペロブスカイト結晶とファブリ・ペローナノ共振器を組み合わせ、励起波長の走査によって結晶と共振器の結合波長を明らかにすることで、狭帯域かつ低閾値のモード選択可能なナノレーザーを実現させる。
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研究成果の概要 |
狭帯域かつ低閾値のモード選択可能なナノレーザーを実現するためにペロブスカイト結晶の蛍光機能向上、および金薄膜/酸化チタン薄膜からなるナノ共振器と半導体量子ドットとの相互作用について検討した。マイクロ結晶ではハロゲンアニオン欠陥の回復速度が結晶形状に依存することを明らかにし、結晶のサイズや、形状、そして蛍光特性を最適化した。ナノ結晶では機械的刺激に対して安定な超結晶を形成し、非ジェミネート性の非放射再結合を抑制できることを見出した。さらに、ナノ共振器上の量子ドットは共振器へのエネルギー移動によって消光されるが、共振器に金ナノ粒子を導入することで高効率にエネルギー移動できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハロゲン化鉛ペロブスカイトはレーザーに限らず太陽電池やLED、センサーなど様々な光電子デバイスへの応用が期待されており、本研究成果であるペロブスカイト結晶の非放射再結合の要因となるアニオン欠陥の回復や、超結晶化による非ジェミネート再結合の抑制などはペロブスカイトの蛍光機能向上に貢献するものである。一方、ナノ共振器においては当初の予想に反して利得媒質の蛍光を消光する結果となったが、この消光は量子ドットからナノ共振器へのエネルギー移動によるものであり、本研究で見出したナノ共振器への金ナノ粒子導入によるエネルギー移動の高効率化は、エネルギー移動を利用した共振器内光増幅につながる重要な成果である。
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