研究課題/領域番号 |
21K14596
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福島 知宏 北海道大学, 理学研究院, 講師 (50801560)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 振動強結合 / 水和 / イオン伝導 / 電気化学 / 水 / 動的水和 / ポラリトン / 共振器 / プロトン伝導 / 分光特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では分子の振動モードと共振器モードの間で生じる振動ポラリトン形成に基づくプロトン伝導体の機能化を行う。特に電解質溶液に存在する乱雑な振動モードに対して選択的な振動ポラリトン形成を行うことで、熱振動分布の再配置に基づく振動準位変調を行う。赤外分光計測から共振器特性および電解質溶液の分光特性に関して検討を行い、電気化学計測からイオン伝導度および誘電率との相関を見出す。さらには、伸縮モード選択的な変調を行うことにより、分子の動的な結合過程の制御を行い、同位体選択的なイオン伝導を達成する。さらには共振器モードに内在する電場モードの異方性を利用することにより等方性液体の異方的伝導を達成する。
|
研究成果の概要 |
共振場に分子を配置することにより、量子光学相互作用である強結合状態が形成する。特に暗条件においても真空場が介在することにより、化学反応ダイナミクスが変調することが提案されている。本研究においては、振動強結合下における水和ダイナミクスの制御に基づくイオン伝導度制御を主眼として研究を行った。共振器中に水を導入し、赤外分光計測を行ったところ、ポラリトン状態に由来するスペクトルが観測され、結合強度が0.1を凌駕する超強結合状態であることを明らかとした。さらにはプロトン伝導や水和ネットワークのダイナミクスが誘起される状態においてイオン伝導度が特に向上することを見出し、イオン伝導制御を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のイオン伝導体の設計においては物質組成の制御などと言った合成化学的アプローチに根ざしている。しかしながら本研究で提案する振動強結合を利用した手法においては、共振器の厚さを変調しポラリトン状態を制御することによって、動的にイオンの水和状態さらには伝導度が制御可能であることを見出した。また電極触媒に関しても制御可能であることを見出しており、イオン伝導制御のみならず、電気化学特性制御に広く活用可能な系であると考えている。また共振器構造体は制御が難しいが、赤外領域に光学モードを有する系を利用することで物性制御が可能であることを見出しており、再現良く利用できるシステムの構築も行っている。
|