研究課題/領域番号 |
21K14599
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
雨森 翔悟 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 助教 (80736736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 超分子ポリマー / 分子集合体 / ポリジメチルシロキサン / 分子クラウディング / 電荷移動錯体 / 超分子 / 溶媒効果 |
研究開始時の研究の概要 |
複数の分子が非共有結合(可逆的で弱い結合)で集まった分子の集団は超分子と呼ばれ、様々な機能性材料への応用が期待されている。本研究では分子が込み合った空間中における分子の集まり方(超分子の集合挙動)を明らかとすることを目的とする。これにより、超分子の集合制御の新しい提案を目指す。この際、本研究では高分子が高濃度に溶存する溶液を分子が込み合った空間として利用し、超分子の集合挙動の評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では高分子による分子クラウディング環境を利用した超分子ポリマーや分子集合体の精密な集合制御を目標とし、高分子添加による分子集合体の会合挙動への影響、特に低極性環境における影響を明らかとすることを目的とした。オクタメチルトリシロキサンを低極性の低分子媒体、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を添加高分子として、分子集合体の会合挙動を評価した結果、PDMSの添加やその分子量によって形成する会合体の変化が観測され、低極性媒体中におけるPDMSの添加効果が示された。 またPDMSが芳香族ドナーアクセプター相互作用に及ぼす影響について、芳香環の大きい分子ほどその影響が増大することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高分子のような巨大分子が多量に存在する環境は分子クラウディングと呼ばれ、拡散速度低下や活量変化、分子構造・運動の制約といった影響を溶存分子に及ぼすことが知られており、細胞内で重要な役割を果たしている。人工系における分子集合体の会合挙動に対する高分子の添加効果の評価は水を媒体とし、水溶性高分子を用いた物がほとんどである。このため高分子添加に伴う媒体極性の変化や、水溶性高分子と分子集合体との直接的な相互作用等、様々な要素を考慮する必要がある。低極性媒体と低極性の高分子を用いた本研究成果は、分子クラウディング環境が分子集合体に及ぼす影響を系統的に評価する上で重要な知見となることが期待される。
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