研究課題/領域番号 |
21K14602
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
横山 創一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40811211)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 分子ワイヤ / 単一分子素子 / オリゴチオフェン / オリゴフェニレン / 分子エレクトロニクス / 単分子接合 / 単分子電気伝導度 / 縮環π共役分子 / トリアザトリアンギュレン / MCBJ / π共役分子 |
研究開始時の研究の概要 |
有機単分子ワイヤを金属電極のナノギャップ間に接合して構築する素子材料の開発は、分子設計指針に基づき複雑な回路作成や様々な機能を付与できる観点から次世代微小素子として有用視されている。しかし、有機分子の電気伝導度は、電極間距離や導電性ワイヤ構造のみならず金属電極と接合ユニットの軌道準位にも大きな影響を受ける。本研究では、π共役分子ワイヤを金属電極にπ接合可能なピラー状分子構造を構築し、各種ユニットの分子軌道を精密に制御する。そして、分子の接合部・ワイヤユニット各々の分子軌道に着目したコンダクタンスとの相関を解き明かし、優れた電子輸送特性を示す分子エレクトロニクス材料の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、優れた電気伝導度特性を示す単分子素子の開発を目指し、アンカーとワイヤユニットの各種軌道配置を制御可能な分子構造「ピラー状分子ワイヤ」の構築、ならびにホッピングサイトを均質化可能な分子素子の構築に取り組んだ。具体的には、金属-π相互作用により単分子接合可能なπ共役骨格に対して、π共役オリゴマーを直交するように連結したピラー状分子ワイヤを設計することで、アンカー基とワイヤ基の各軌道配置が電気伝導度に与える影響を精査した。開発した分子ワイヤはアンカー基にπ軌道が広がることで、金電極と強く電子カップリングし、トンネル伝導領域において良好な電気伝導度を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、金-π軌道接合が接触抵抗を減少させることでコンダクタンスが向上すること、ワイヤ部では電荷がホッピングするサイトのエネルギー準位を揃えることが長距離電荷輸送時におけるコンダクタンス減衰の抑制につながるといった学術的知見を得ることができた。これら知見は、有機分子特有の低コンダクタンスという課題点を克服できる可能性を持つことから、次世代の有機デバイス素子材料を開発する上での有用な設計指針になることが期待できる。
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