研究課題/領域番号 |
21K14604
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
金友 拓哉 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 助教 (70811876)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 分子磁性 / 金属錯体 / 有機ラジカル / 希土類化合物 / 希土類錯体 / スピンクロスオーバー / 4f-3d-2p系 / 分子性磁性体 / ラジカル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は希土類イオン(4fスピン)、第一遷移金属イオン(3dスピン)と有機ラジカル分子(2pスピン)を組み合わせた新奇分子性磁性体の開発を目指す。1つの分子に化学的性質が異なる3種のスピン系を組み込むことは未だ挑戦的な課題である。本研究では更に各スピン系の特徴として、希土類イオンの"巨大な磁気異方性源"、有機ラジカルの"スピンの整列素子"、3d金属イオンの"磁気的な次元性のスイッチ"に着目して分子設計を行う。この分子設計により、可逆的な磁気構造の変化を示す4f-3d-2pヘテロスピン系の構築の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では4fおよび3d金属イオンと有機ラジカル(2pスピン)を組み合わせた分子性磁性体の開発を目指してきた。1つの分子に化学的性質が異なる3種のスピン系を組み込むことは挑戦的な課題と言える。ここでは2種の金属イオンに選択的に配位できる有機ラジカルを用いて錯形成を試みた。3dおよび4f金属イオンのイオン半径やHSAB則に基づく親和性より、Cu(II)およびLa(III)の組み合わせにおいて目的とする4f-3d-2pヘテロスピン系錯体の構築に成功した。また、異なる配位子のCo(II)金属錯体では非共有結合性の多孔質構造体の開発に成功し、溶媒分子に依存して逆スピン転移や熱履歴現象を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子を構成要素とする磁性材料の研究は、従来の無機物にはない光透過性や柔軟性、有機溶媒可溶性などが期待される。また、分子磁性体は単分子または単鎖磁石として高密度記憶材料への応用が可能である。こうした材料は、構成元素や分子、結晶構造の高い自由度が魅力である一方、1つの分子に複数のスピン系を組み込むことは困難であった。本研究では、4fおよび3d金属イオンと有機ラジカルからなる4f-3d-2p系錯体の構築に成功した。この成果は1つの分子に戦略的に複数のスピン系を組み込めることを示し、分子磁性材料の設計を拡充させたことから学術的に意義深い。
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