研究課題/領域番号 |
21K14610
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福井 智也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (40808838)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 結晶化 / 自己集合 / 金属錯体 / ブロック構造体 / スピンクロスオーバー / コアシェル型ブロック共結晶 / 分子間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、分子の位置や配向が完全に揃った集合体である結晶を一つのコンパートメントと見なし、異種結晶がヘテロ接合したコアシェル型ブロック共結晶の創製とそのシナジー機能を探求する。具体的なターゲットとして、温度や光といった外部刺激に応じてスピン状態をスイッチング可能なスピンクロスオーバー現象を発現する金属錯体分子に着目した。異種スピンクロスオーバー錯体の結晶がシームレスに接合したコアシェル型ブロック共結晶を作製し、単一成分からなる結晶では発現しない、協同的スピン転移現象を発現する系の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、異種金属錯体結晶がヘテロ接合したブロック共結晶の構築と機能を探求した。具体的な分子系として、温度や光といった外部刺激によってスピン状態をスイッチ可能なスピンクロスオーバー錯体を用いた。4-カルボキシ-2,6-ビスピラゾリルピリジンを配位子とするFe(II)錯体結晶を種としてCo(II)錯体を結晶化することでコアシェル型ブロック共結晶の作製に成功した。同様に、鉄錯体結晶をコア、亜鉛錯体結晶をシェルとするブロック共結晶も作製可能である。興味深いことに、コアシェル型ブロック共結晶においては、鉄錯体単独の結晶におけるスピン転移温度よりも、低い温度でスピン転移を示すことを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、異種スピンクロスオーバー錯体結晶がヘテロ接合したブロック共結晶を構築するための方法論を確立し、さらに、ブロック共結晶が単一成分系が示すスピン転移よりも低い温度で転移する現象を見いだした。異種分子からなる結晶を配列制御して集積化する方法論はこれまで報告されておらず、本研究はそれを先立って実現したという点から、分子集積化技術の新たな知見を与えることができた。また、本研究で見いだした精密分子集合化の方法論は、原理的にはナノ~メゾ~マクロスケールの広い領域で適応可能であると考えれることから、結晶工学のみならず、超分子化学の広い分野に新知見をもたらすものであると考えている。
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