研究課題/領域番号 |
21K14611
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 研一 京都大学, 工学研究科, 助教 (10879406)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | プロペラン / 空間 / 立体骨格 / 吸着特性 / 対称性 / 光学活性 / 非晶質 / 周辺修飾 / ねじれ / 不斉 / 配座異性体 / 周辺修飾法 / 多孔性 / 小分子認識 / 分子認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、剛直な立体構造を持つ縮環プロペラン類に着目し、分岐部分を含むπ共役面が有効に接した空間による分子認識とπ共役電子物性との組み合わせによる機能の拡充に取り組む。具体的には、縮環プロペランのナフタレン環への修飾反応を活用することで、1) 多孔性構造体と環状多量体を合成し、π共役面に接した空間による分子吸着特性を評価する。2) π共役骨格の電子密度を大きく上下させ、π共役面が関与する分子吸着特性への影響を調査する。3) 非対称修飾によって光学活性な分子・環状多量体へと変換し、キラル空間に基づく光学特性や分子認識能の付与を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、通常の平面π共役分子とは異なり立体構造を有するπ縮環プロペラン骨格に着目し、π共役系の立体性や骨格周囲に生じる空間の活用に取り組んだ。π縮環プロペランへの周辺修飾反応では分子対称性を保持した窒素置換基の導入、2方向選択的な非対称修飾を達成した。合成した網状高分子や周囲に水素結合部位を有する分子からなる有機固体は二酸化炭素や炭化水素に対して良好な吸着特性を示し、その選択性は構成単位の化学構造を反映したものとなった。プロペラン骨格を用いることで研究例が稀であった立体骨格周囲に平面色素を配置したキラル光学分子、周囲の回転可能部比率が小さいにもかかわらず非晶性となる分子群も見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多孔性物質をはじめとした先端材料を生み出す上で、一定程度の剛直性と立体性を併せ持つ有機骨格の重要性は日ごとに高まっている。本研究でπ縮環プロペランの分子修飾および利用展開の方向性を拡張したことで、種類が相当に限定的であった分野に新しい選択肢を与えることができた。トリプチセンと比較してπ縮環プロペランは拡張されたπ平面を持つ点、非晶性固体やフィルムを与えやすい点などが特徴として見出された。よって、π平面上での相互作用や電子物性、相溶性やフィルム形成が重視される材料等において独自の用途をもって発展することが期待される。
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