研究課題/領域番号 |
21K14613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 信州大学 (2023) 九州大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
中野 健央 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (50844312)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | クロリン / ポルフィリン / チアゾール / ホウ素錯体 / 吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / チオフェン / ポルフィリン骨格 / 複素環化学 / 有機合成化学 / 錯体化学 / 光化学 |
研究開始時の研究の概要 |
高効率的光電変換システム実現を目指し、その電子供与体として、様々な複素環を構成単位とする、新規C2対称型大環状π共役化合物の合成と物性解明に挑む。本骨格群は、『(1) ヘテロ原子の導入』、もしくは『(2) π共役の拡張』を施した『(3) C2対称型骨格』という構造的特徴を有しており、これらは、光吸収波長と分子配列の精密制御が見込める。すなわち、光エネルギー吸収効率、及び電子移動度の双方に優れた光電変換システムの構築が期待できる。本申請研究では、新規骨格群、及びそれらを活用した錯体の合成法を確立し、各々について光化学特性、パッキング構造を解明すると同時に、有機薄膜太陽電池としての性能試験を行う。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、2つのチアゾール環構造を有するC2対称型ポルフィリン化合物の合成に取り組んだ。鍵反応である[2+2]MacDonald環化反応について詳細な条件検討を行なったが、目的とする化合物を得るには至らなかった。 一方、1つのチアゾール環構造を有するチアゾロクロリン化合物についてさらなる分子変換の検討を行なった。具体的には、チアゾール構造由来の硫黄原子についてm-CPBAを用いた酸化反応条件下に付し、対応するスルホキシド、およびスルホン構造を有する化合物について合成した。得られた化合物の光化学特性について種々測定したところ、硫黄原子の酸化状態に依存する変化が見られることを明らかにした。本成果について、日本化学会第105春季年会にて発表した。 また、前年度に引き続き非対称π骨格としてピロール及び(イソ)キノリンを配位子とするホウ素錯体についての合成並びに光学特性解明に取り組んだ。特に、その非対称構造に由来するソルバトクロミズム特性について解明し、研究成果としてChemPhotoChemに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主目的としていたC2対称型骨格の合成については合成には至っていない。一方で、チアゾロクロリンの硫黄原子の酸化状態による光学特性変化の詳細について解明しつつあり、当初目的の一つであったポルフィリン類縁体に導入するヘテロ原子の効果については研究を進められている。 また、非対称π骨格を配位子とするホウ素錯体の特異的光学特性の解明という角度からも、異種複素環を構成単位とする非対称π骨格の有用性について示せている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは引き続きチアゾロクロリン化合物の光学特性解明に臨む。具体的には、種々金属錯体について合成を進め、中心金属原子による光学特性の変化について詳細に検証する。また、並行して2つのチアゾール環構造を有するC2対称型ポルフィリン化合物の合成検討を進める。 また、新規非対称π骨格を配位子とするホウ素錯体についても、引き続き合成並びに光学特性の解明を進める。
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