研究課題/領域番号 |
21K14614
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
鈴木 直弥 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (80823492)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 有機色素 / 凝集有機発光 / 二重発光 / 固体発光 / ESIPT / 凝集誘起発光 / 機能性色素 / 励起状態制御 / 発光性化合物 / 励起状態 / 有機化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高効率の近赤外発光性材料の創製を目指し、C-H結合からの励起状態分子内プロトン移動を示す新たな有機色素の開発に挑戦する。主骨格として、発光挙動の調整が容易なアリルメタン構造に着目し、次の研究課題に取り組む。 ①C-H 結合からの ESIPT を起こす化合物の探求 化合物の主骨格、置換基、プロトン受容性部位の 3 点を変換した種々の化合物を合成し、発光特性を評価することで、C-H結合からの ESIPT を誘起する分子構造について知見を得る。 ②高効率の近赤外発光を示す ESIPT 化合物への展開 ①で得た知見をもとに、高効率の近赤外 ESIPT 発光を示す化合物を合成し発光特性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では、高効率の近赤外発光を示す化合物群を創製するため、C-H結合からの励起状態分子内プロトン移動(ESIPT)という新たなコンセプトを着想した。 C-H結合からのESIPTを実現するため、大きな酸性度をもつインドリノン骨格に種々の窒素含有ヘテロ芳香環を導入した色素群を合成したところ、べンゾチアゾールを導入した誘導体が結晶状態において二重発光特性を示すことを見出した。構造解析の結果、二重発光特性が結晶中におけるJ会合構造の形成に由来し、C-H結合からのESIPTによるものではないことが示唆されたものの、結晶誘起二重発光を示す新たな色素骨格の開発を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発された色素が示す結晶化誘起二重発光は、単一分子から二つの発光が示されることから、白色発光材料やセンシング材料などの分野での応用が期待されている。これまでにも結晶化誘起二重発光を示す色素は報告されているものの、その報告数は限られている。本研究で得られた成果は、結晶化誘起二重発光性色素の新たな分子骨格を提案するものであり、分子構造の多様性を増大させることで、発光性有機材料の開発に寄与する。
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