研究課題/領域番号 |
21K14616
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2022) 北海道大学 (2021) |
研究代表者 |
池内 和忠 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (70756676)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | パランビン / ノルボルナン / 1,4-ビスシリルエノールエーテル / 骨格転位 / ノルボルナン骨格 / 分子内Diels-Alder反応 / セミピナコール転位 / 5員環1,4-ビスシリルエノールエーテル |
研究開始時の研究の概要 |
パランビンA,Bは2012年に中国産コケ植物から単離されたノルジテルペノイドである。本天然物は二つのノルボルナン構造が内在した三環性骨格を有しているため、合成化学者から注目を集めている。しかし、本骨格の効率的合成法は未だ開発されていない。本研究では、その特異的三環性骨格を容易に化学合成できる方法論の開発とパランビン類の全合成を行う。その鍵反応に、最近見出した5員環1,4-ビスシリルエノールエーテルをジエンとして用いる分子内Diels-Alder反応を利用する。
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研究成果の概要 |
パランビンA,Bは2012年に中国産コケ植物から単離されたノルジテルペノイドである。本天然物は二つのノルボルナン構造が内在した三環性骨格を有しているが、このユニークな骨格の効率的合成法は未だ開発されていない。そこで、この特異的三環性骨格を容易に化学合成できる方法論の開発を目指した。 検討の結果、2位にメチル基と末端にジブロモオレフィン部位を有するアルキル側鎖が置換した1,3-シクロペンタンジオン体にシリル化剤と塩基を処理すると、5員環1,4-ビスシリルエノールエーテルの生成、分子内Diels-Alder反応、セミピナコール転位が一挙に進行し、目的の三環性骨格を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パランビンA,Bはドキソルビシン耐性ヒト白血病細胞に対する選択的毒性活性を示すことが分かっているが、活発現機構の詳細は明らかになっていない。本研究成果によって、パランビン類に含まれる特異的三環性骨格を容易に化学合成できる方法が開発できた。そのため、この成果を応用することで、パランビン類や構造類似体の量的供給及びパランビン類のケミカルバイオロジー研究への発展が今後期待できる。
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