研究課題/領域番号 |
21K14617
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 関西学院大学 (2021) |
研究代表者 |
中塚 宗一郎 京都大学, 理学研究科, 特定研究員 (20845383)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ベンザイン / ホウ素化反応 / エンジイン / 正宗・バーグマン環化 / 計算化学 / 有機ホウ素化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
エンジインから正宗-バーグマン環化により生じる p-ベンザインは,これまで関心を集めながらも o-ベンザインよりもその反応性についての研究が遅れており,さらなる研究が望まれる。そこで本研究では, p-ベンザインの官能基化反応の開発を行う。さらに,実験科学的研究に加えて,反応機構について密度汎関数計算による解釈を加えることで,p-ベンザインの反応性の解明を目指す。これら基礎研究に加えて,一連の研究で得られる化合物群の誘導体化の可能性を実証する。
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研究成果の概要 |
o-ベンザインは,芳香環を迅速に官能基化できる合成戦略上の利点から,天然物の多段階合成における中間体として,あるいはアセン類や高歪分子の合成手法として確立されている。一方,o-ベンザインの異性体であるp-ベンザインを捕捉する研究は1,4-シクロヘキサジエンからの脱水素や四塩化炭素からの脱塩素による官能基化に限定されている。 本研究では、p-ベンザインの4重ホウ素化反応を開発した。一挙に4つの炭素―ホウ素結合を形成する本反応の反応機構について、理論と実験の両面からアプローチすることで遷移状態の構造とその活性化障壁を解明した。一方で、4重ホウ素化生成物の単結晶X線結晶構造解析による同定にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により開発したp-ベンザインの4重ホウ素化反応は、これまで1,4-シクロヘキサジエンからの脱水素や四塩化炭素からの脱塩素による官能基化に限定されてきたp-ベンザインを捕捉する研究において新たな反応性を示す学術的に意義深いものといえる。p-ベンザインの4重ホウ素化反応では、原料と補足剤の混合溶液を加熱するだけで、1つの分子に対して一挙に4つのホウ素置換基を導入でき、その迅速さから、今後、これまで利用されてこなかったp-ベンザインを起点とする分子構築への利用が期待される。
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