研究課題/領域番号 |
21K14621
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 由樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (70835298)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 核酸医薬 / 触媒的亜リン酸化 / オリゴヌクレオチド / 亜リン酸エステル / ヌクレオチド / 亜鉛触媒 / 連続フロー / 固定化触媒 / 亜鉛錯体 / 亜リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
オリゴヌクレオチドは次世代の医薬品として期待されているが、これまでの合成手法では等量以上の活性化剤を用いる必要があるため、廃棄物の処理やスケールアップが問題となる。 本研究では、高効率・環境調和型のオリゴヌクレオチド合成の実現のため、触媒的液相連続合成の達成を目標とする。特に、亜鉛錯体による亜リン酸エステルの触媒的活性化に基づく、活性化剤フリーかつ廃棄物を最小限に抑えるヌクレオチドの亜リン酸化反応の開発に取り組む。更に、本触媒をメソポーラスシリカの細孔内に配位子の共有結合を通じて担持することにより不均一系触媒化し、連続フロー条件での反応を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は近年次世代医薬として注目を集める核酸医薬であるオリゴヌクレオチドの触媒的合成を目的とするものである。 亜リン酸のP=O結合の活性化を志向し、種々Lewis酸の検討を行ったところZn(II)種が高活性を有することが明らかとなり、ヌクレオシドの触媒的亜リン酸化が高収率で進行することを見出した。一方で、逐次的反応による2つのヌクレオシドの亜リン酸化は選択性の制御が課題となった。触媒の再検討を行ったところZr(IV), Hf(IV)を触媒として用いることでヌクレオチドの最小構成単位の触媒的合成が実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、近年核酸医薬であるオリゴヌクレオチドの環境調和型触媒的合成の第一歩となるものである。従来本化合物群は化学両論量以上の活性化剤を用いた固相合成により合成されてきたが、多量の廃棄物の生成や合成のスケープアップに課題があった。 本研究成果により、廃棄物を最小限に抑え、かつ、大量合成可能な環境調和型の合成の実現が期待される。また、これまで、P=O結合の触媒的活性化の例はほとんど存在しなかったが、本研究成果により、適切に設計されたLewis酸を用いることで、触媒的反応が可能であることが示された。今後、さらなる触媒探索により更なる触媒性能の向上や高難易度反応の実現が期待される。
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