研究課題/領域番号 |
21K14622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
萩原 浩一 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (20804371)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 有機化学 / 天然物合成化学 / ステロイド / カップリング反応 / ラジカル反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、強力かつ多様な生物活性を示す、ステロイド型骨格を有する高酸化度天然物の、同一戦略に基づく網羅的合成手法の確立を目的とする。種々のAB環ユニットとD環ユニットの遷移金属を用いた分子間カップリング反応とラジカル反応を用いたC環構築により、カルデノリドやブファジエノリドを含む様々な縮環様式のステロイド化合物の合成を行う。また、ステロイド様天然物であるトウセンダニンの全合成を行い、本手法の汎用性を立証する。本研究は、従来合成困難であった天然・人工ステロイドの合成を可能にし、構造活性相関研究の深淵化や新規機能分子創製および機能性分子の構造簡略化へと研究展開可能な重要な基礎研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、強力かつ多様な生物活性を示す、ステロイド型骨格を有する高酸化度天然物の、網羅的合成手法の確立を目的とする。今回、酸素官能基化されたAB環とD環フラグメントを収束的に連結し、ラジカル反応またはアニオン反応によりC環を構築するという戦略を開発した。本戦略により、ステロイドアルカロイドであるバトラコトキシンの効率的な全合成を達成した(22工程)。また、カルデノリドやブファジエノリドの全合成に向け、ステロイド4環性骨格を有する重要中間体を合成した。 今後は、本手法を応用し、使用するフラグメントの酸化度を変更することで、様々な酸化度のステロイド様天然物の全合成へと展開していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、強力かつ多様な生物活性を有するステロイド様化合物が有する4環性骨格の新規効率的構築法を開発した。本手法を用いて、複雑天然物であるバトラコトキシンの全合成を達成した。本手法を応用し、使用するフラグメントの酸化度を変更することで、様々な酸化度のステロイド様天然物の全合成へと展開可能であり、ステロイド様化合物を基盤とした創薬研究の発展も期待できる。従って、有機合成化学・創薬化学の観点から重要な研究成果が得られたと言える。
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