研究課題/領域番号 |
21K14628
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 (2022) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
鳥越 尊 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 助教 (80823129)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 炭素-水素結合官能基化 / アルカン / 有機ホウ素化合物 / シリル配位子 / 有機合成化学 / 遷移金属触媒 / 配位子設計 / 炭素-水素結合活性化 / 位置選択性 / 均一系触媒 / 合成化学 / ピンサー配位子 / 有機金属化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
アルカンなどの単純な有機分子の炭素-水素結合の変換に有効な遷移金属触媒の配位子は多くないが、その一つにアニオン性のX型配位子とその両側に配置した二つの中性のL型配位子により中心金属を挟み込む、LXL型ピンサー配位子が挙げられる。本研究課題では、このLXL型ピンサー配位子の熱的安定性や特徴的な立体構造に着想を得て、独自にLLX型ピンサー配位子を設計し、遷移金属触媒を用いた炭素-水素結合の変換における有効な配位子群を創出する。
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研究成果の概要 |
アルカンに代表される、単純な有機分子の炭素-水素結合を変換可能な遷移金属触媒のための配位子を開発した。遷移金属触媒においては、中心金属とともに配位子が重要なはたらきをもつ。従来の主流であった、二つの中性配位子(L型配位子)からなり、二点で中心金属に配位する二座配位子に、一つのアニオン性配位子(X型配位子)を導入した、LLX型三座配位子を設計・合成し、触媒反応を実施した。その結果、二つの窒素(N)と一つのケイ素(Si)からなるLLX型NNSi配位子と、リン(P)・窒素・ケイ素からなるPNSi配位子が、イリジウム触媒によるsp3炭素-水素結合のホウ素化に有効であることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素-水素結合の触媒的な直接変換反応は理想的な分子変換の一つといえるが、その難易度は高く、有効な触媒系の開拓が望まれていた。今回明らかとしたLLX型ピンサー配位子の有効性は、単に有効な配位子を見出したにとどまらず、新たな配位子設計指針となるものであることから、大きな波及効果が期待でき学術的意義は大きい。また、有機分子に普遍的に含まれる炭素-水素結合の触媒的変換は、合成の短工程化や炭化水素資源の有効利用等の実現に寄与するものであり、本研究成果は環境調和型の有機合成への転換を促すものといえる。
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