研究課題/領域番号 |
21K14633
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 福井大学 (2022) 東京理科大学 (2021) |
研究代表者 |
鈴木 弘嗣 福井大学, テニュアトラック推進本部, 助教 (60827682)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | カルボン酸 / 還元的反応 / 炭素ー炭素結合生成反応 / アルドール反応 / Mannich型反応 / 不斉反応 / aldol反応 / 還元的カップリング / 銅触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
カルボン酸は非ステロイド性抗炎症薬などの医薬品などに幅広く含まれる重要な骨格である。そのためカルボン酸を直截的に修飾する方法の開拓は創薬の発展に大きく貢献する。しかし近年の活性部位を保護・脱保護しない直截的な反応の目覚ましい発展にも関わらず、カルボン酸は自身の持つ酸性な水素の影響により、その触媒的かつ直截的な反応は未開拓である。そこで本研究課題では、カルボン酸を還元剤により反応系内で一時的に保護することにより、酸性水素の影響を抑え、カルボン酸の直截的かつ触媒的な反応を実現する。
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研究成果の概要 |
これまでカルボン酸は酸性水素を有するため、直接的に変換することは難しいと考えられていた。本研究ではカルボン酸を反応中で一時的に保護することで、酸性水素の影響をなくし、カルボン酸の直截的α位官能基化を実現した。具体的にはアクリル酸類を用いた触媒的不斉アルドール反応やMannich型反応を報告し、カルボン酸のα位に直截的に炭素ー炭素結合を導入できることを示した。また不斉配位子を活用することによって、目的物の立体を高度に制御することにも成功している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルボン酸は医薬品等に広く含まれる骨格であり、複雑な骨格をもつカルボン酸を短工程で得られることは、資源の浪費や廃棄物の生成を抑制することにつながる。そのためカルボン酸の直截的官能基化の開発は医薬品合成の発展に寄与するといえる。これまでのカルボン酸の直截的α位官能基化は塩基に頼った方法が多かったが、本研究では還元的な方法で実現できることをはじめて示した。これはたとえば塩基に弱い官能基を持つようなカルボン酸でも、直截的α位官能基化へ応用できることを示すものであり、カルボン酸の直截的α位官能基化の適用範囲を広げられる。これにより複雑な骨格をもつカルボン酸の短工程合成の新たな方法論を提供できた。
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