研究課題/領域番号 |
21K14638
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長田 浩一 東北大学, 理学研究科, 助教 (70813830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ポリオキソメタレート / アニオン性金属酸化物 / 複合アニオン / 超分子結晶体 / バナジウム / モリブデン / 自己集合 / 金属酸化物 / 複合アニオン化 / 空間制御 / 固体触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、『15,16族元素とバナジウム間に多重結合を有するPOMの合成と超分子結晶体を反応場とした高効率な環境調和型固体POM触媒の開発』を目的とし研究する。第1の目的は、V=O部位の酸素原子を他の元素へ変換した複合アニオン型POM錯体の合成法を確立すること。第2の目的は、複合アニオン型POM錯体を利用した固体触媒反応への展開を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では『15 族、16 族元素と遷移金属間に多重結合を有する ポリオキソメタレート(POM)の合成とその電子的性質解明および超分子結晶体を反応場とした高効率な環境調和型固体 POM触媒の開発』を目的に研究を行うことで、これまでとは異なる形式の複合アニオン型 POM 錯体の創製を目指す。すなわち、M=O 結合および架橋M-O-M結合を他の官能基 (O → S, Se, Te, NH, N) に置き換えた POMの合成法の確立と性質解明を行う。高周期典型元素-遷移金属間の多重結合に対応するHOMO準位は高く、LUMO 準位は低いので、特有の多電子酸化還元挙動を示すと考えられ、新たな物性を示す材料科学への展開に繋がるものと考えられる。 1年目では「ポリオキソバナテートの化学反応による直接官能基変換法の確立」を目指して研究を行なった。 ポリオキソメタレート(以下POM)は、化学式が [MxOy]n-(M = W, Mo, V, Ti, Nb, Al など)で表される分子を指す呼称で、4族から7族の遷移金属イオンの 周りにオキソアニオンが配位した [MO6]を基本骨格とした多面体がオキソ架橋により縮合して形成されるアニオン性多核錯体である。本研究では、M=O結合を他の典型元素 (O → S, Se, N) に置き換えたPOMの合成と性質解明を行った。一般的に高周期典型元素-遷移金属間の多重結合に対応するHOMO準位は高く、LUMO準位は低くなることが知られているので、特有の多電子酸化還元挙動を示す。1年目では、デカバナデート(V10)、ドデカバナデート(V12)、トリデカバナデートユニット(V13)、ヘキサモリブデート(Mo6)を合成し、これらに対し硫化剤を加えることでM=O結合部位をM=S結合へと変換する試みを行なった。その結果、粉末X線、SEM-EDX測定、XPS分析、IR測定などにより、メタレートに硫黄原子が組み込まれていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目、「引き続きポリオキソバナテートの化学反応による直接官能基変換法の確立」を目指して研究を行なった。 ポリオキソメタレート(以下POM)は、化学式が [MxOy]n-(M = W, Mo, V, Ti, Nb, Al など)で表される分子を指す呼称で、4族から7族の遷移金属イオンの 周りにオキソアニオンが配位した [MO6]を基本骨格とした多面体がオキソ架橋により縮合して形成されるアニオン性多核錯体である。本研究では、中心金属をバナジウムおよびモリブデンとした末端酸素部位(M=O)および架橋酸素部位(M-O-M)への官能基変換反応を行った。1)ヘキサモリブデート(Mo6)に対しDCC存在下第一級アミンを加えることで、Mo6クラスターにイミドが1つ、および2つ(cis, trans体)を導入しその電子的特性を理論計算を用いて明らかにした。また、Mo6クラスターに対してイミド部位が1つ、2つと導入されることで錯体の吸収がレッドシフトすることを紫外可視吸収スペクトルから明らかにした。現在は、イミド化したMo6クラスターを用いた光触媒の検討をおこなっている。2)非対称なサリチルアルコールを用いることで、新規なバナジウム4核クラスターを合成することに成功した。紫外吸収スペクトルおよび理論計算からLMCT遷移であることを見出し、サリチルアルコールに電子供与基や電子吸引基を導入することでLMCT遷移をある程度コントロールすることに成功した。現在は、このV4クラスターを利用した光触媒の検討をおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目で合成したモリブデンならびにバナジウムを中心金属とする多核クラスターを利用した触媒への検討を行う。特に、官能基を加えることで吸収波長がレッドシフトした結果から可視光領域の吸収を利用した光反応の開発を目指す。
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