研究課題/領域番号 |
21K14639
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荻原 直希 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70848267)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ポリオキソメタレート / 金属錯体 / ナノ金属 / 触媒 / 金属ナノ粒子 / 多孔性イオン結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
無機金属酸化物クラスターであるポリオキソメタレートを構成要素とするレドックス活性な多孔性イオン結晶 (Porous Ionic Crystals, PICs)を利用して、ナノ金属の電子状態、特にフェルミ準位の状態密度 (DOS)の制御を目指す。具体的には、 (1)水素吸蔵や触媒機能に適したナノ金属に着目し、レドックス活性なPICsで被覆させたPICs/ナノ金属複合物質をボトムアップ合成する。 (2)得られたナノ複合物質に対して表面分析を行うことで、PICsとナノ金属との間での電子授受-ナノ金属の電子状態の相関を明確化する。 (3)複合物質の電子状態制御により、新しい物性化学・触媒科学への展開を図る。
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研究成果の概要 |
多孔性イオン結晶(Porous Ionic Crystal: PIC)はアニオン性の金属酸化物クラスターであるポリオキソメタレート(Polyoxometalate: POM)とマクロカチオン(カチオン性の多核金属錯体、金属酸化物クラスター等)からなる多孔性材料である。本課題では、PIC単体および、PICとナノ金属からなるナノ複合物質を基盤とした機能性材料の開発を行った。具体的な機能・物性として、酸・塩基触媒反応(Pinacol転位、Knoevenagel縮合等)や電気化学的な酸素発生反応(Oxygen Evolution Reaction: OER)への応用、発光特性の制御を実現できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PICは高い設計性を有する物質群であり、機能性材料として有望であるが、その機能発現はガス・イオン吸着やイオン伝導等の一部の機能に制限されていた。そのなかで、本研究ではPICおよびPICを基盤としたナノ複合物質が触媒機能や発光特性を有することを見出すことができた点で学術的意義を有すると考えられる。PICは組成-構造-機能を明確化するのに適した物質系であり、本課題で獲得した高機能化のための組成・構造の設計指針は高機能材料を構築する上で重要な知見を与えると思われる。今後、PICを用いたナノ物質における組成・構造をさらに洗練することにより、革新的な機能性材料の創出に繋がると期待される。
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