研究課題/領域番号 |
21K14650
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮川 晃尚 筑波大学, 数理物質系, 助教 (80881599)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 微量計測 / 顕微分光 / マイクロ粒子 / DNA / 細孔性粒子 / タンパク質 / 細孔濃縮 / シリカ粒子 / 酵素反応計測 / DNA計測 |
研究開始時の研究の概要 |
有機分子が溶解した水溶液中に細孔性粒子を入れると、有機分子は細孔内に分配・吸着する。マイクロサイズの粒子はpL-fLの体積を有しているため、この過程で有機分子は数百-数千倍に濃縮される。この微小空間内の高濃縮溶液は反応場として有用であるにも関わらず、有効的に活用されていない。そこで本研究では、単一粒子系における顕微分光計測系を構築し、粒子細孔内の濃縮場を利用した新規微量計測法の開発を目的としている。具体的には酵素を利用した微量計測、DNAの触媒増幅反応を利用した計測法を行う。
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研究成果の概要 |
シリカ粒子には西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)が数百倍、一本鎖および二重鎖DNAが千倍程度濃縮されることを明らかにした。この濃縮反応場を利用し、単一粒子系で980 nMの過酸化水素を定量できることを明らかにした。また、一本鎖および二重鎖DNAのシリカ粒子の細孔内拡散挙動を明らかにした。一本鎖DNAは凝集体として粒子内に分配されやすく、二重鎖DNAは粒子内では解離しやすいことを明らかにした。ヘアピン型DNAを粒子内に濃縮し、ターゲットDNAの分配による計測を行ったところ、単一粒子系で10 nMのターゲットDNAを定量できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、シリカ粒子内に濃縮された分子を利用した計測原理を確立させた。その濃縮倍率などを定量的に議論している研究例はなく、学術的に意義深い。また、単一粒子系で顕微分光法によって計測を行うことにより、高感度な計測が可能となる。本計測法はレーザートラップやマイクロデバイスと親和性が高く、組み合わせることで簡便な検出システムを構築できるため、社会的貢献も見込める。また、DNAの粒子内の拡散挙動はクロマトグラフィーの分離機構を明らかにするための基礎知見となり、当該分野での学術的寄与を期待できる。
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