研究課題/領域番号 |
21K14654
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2022) 福井県立大学 (2021) |
研究代表者 |
坂江 広基 金沢大学, 物質化学系, 助教 (00779895)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 液液界面 / 生体膜模倣界面 / 分光電気化学 / 生体関連物質 / 細胞膜透過性ペプチド / 薬剤キャリア / 分子包接 / フェリチン / 生体膜透過 / 膜透過性ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
貯蔵タンパク質であるフェリチンはナノ粒子キャリアとして注目されているが、包接特性と膜反応の制御が不可欠である。本研究では、(1)フェリチンに細胞膜透過性ペプチド修飾を施し、膜透過性を大幅に改善する。(2)液液界面を生体膜のモデル反応場として用い、膜透過性フェリチンの界面反応機構を分光電気化学的に詳細に解明する。(3)フェリチンの包接反応を、溶液中および界面領域で定量的に解析し制御する。本研究は、合理的な膜透過性物質の設計や、フェリチンを新規のナノキャリアとして用いる高機能なドラッグデリバリーシステムの構築につながるものである。
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研究成果の概要 |
貯蔵タンパク質であるフェリチンの水溶液中および生体膜のモデル反応場としての分極液液界面における分子包接特性と界面反応挙動を分光電気化学的に研究した。フェリチンサブユニットと物質の相互作用が包接に大きく寄与していることを明らかにする一方で、フェリチンが相間移動(膜透過)しないことが新たな課題として浮かび上がった。この課題を、細胞膜透過性ペプチド(CPP)によって克服しようと試みている。また、新規CPPのε-ポリ-L-α-リジンに蛍光修飾を施すことで、その膜透過機構も解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
限定された手法の中ではあるがフェリチンの薬剤キャリアとしての可能性を見出した。包接効率に寄与する要因を明らかにし、モデル反応場を用いて色素を包接させることでフェリチンの界面反応機構を解析する方法論を示すことができた。フェリチンを薬剤キャリアとして利用する際の課題を明示し、その解決法の一つとして細胞膜透過性ペプチド(CPP)修飾を提案した。これまで未解明であったCPPの膜透過機構を分光電気化学的に明らかにし、本来膜透過性を示さない物質の膜透過も達成した。本研究成果は、CPPやフェリチンを利用した高度なドラッグデリバリーシステムの展開が期待できる。
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