研究課題/領域番号 |
21K14655
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
松山 嗣史 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 特任助教 (90847930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 蛍光X線分析 / SN比 / 高感度 / 希ガス / アルゴン / 一次X線フィルター / X線フィルター / 同時計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、次の二つの手法を用いて蛍光X線スペクトル内のバックグランド強度を減少させ、高感度に元素分析可能な方法を開発する。最初に、X線源と測定試料の間に最適な吸収特性を持つ希ガス元素をフィルターとして採用する方法を確立する。その後に、脱励起過程で連鎖的に放出される蛍光X線をコインシデンス計測可能な新規蛍光X線分析装置を開発することで、測定感度の向上を目指す。
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研究実績の概要 |
蛍光X線分析は、様々な試料中の微量元素分析に有用であるが、高感度に分析するためには、蛍光X線スペクトル内のバックグランド強度を減少させる必要がある。つまりバックグランド信号強度と標的元素の正味の強度(Net強度)を向上することは重要である。そのために、一般に金属箔を試料とX線菅の間に導入することで、不要なX線を減少させる。本研究ではより広範囲のX線に対応させるために、希ガス元素を一次X線フィルターとして活用する技術開発を目指している。これをガスフィルターと呼んでいるが、本研究ではガスフィルター内にアルゴンを導入し、チタンの蛍光X線分析に対して適用した。基板上にチタン箔を乗せ、そのうえにグリスを塗ることで散乱線が多い試料を作製した。取得したスペクトル内のピークに対してガウス関数をフィッティングすることで、ピークのNet成分及びバックグランド成分をそれぞれ導出した。これの比を取ることで、SB比を算出した。試料を4つ作成し、平均値と標準偏差をそれぞれ算出した。アルゴンの圧力に対するSB比を取得した。また、アルゴンの圧力は、-40, -20, 0, 20, 40 kPaと変動させた。また、この圧力はゲージ圧である。その結果、アルゴンフィルターを用いない場合のSB比はおおよそ0.95 kPaであるのに対して、アルゴンガスを40 kPa導入した場合のSB比はおおよそ1.6であった。それゆえ、アルゴンガスを導入することで、SB比が向上したことがわかる。また、X線同時計測可能なハードウェアを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進んでおり、アルゴンやクリプトンをガスフィルターとして導入することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、ガスフィルターのさらなる最適化や同時計測装置の最適化などを進めるとともに、取得データの論文化や学会発表なども進めていきたい。
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