研究課題/領域番号 |
21K14659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人京都市産業技術研究所 |
研究代表者 |
山梨 眞生 地方独立行政法人京都市産業技術研究所, 京都市産業技術研究所, 次席研究員 (80802610)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | X線イメージング / X線光学素子 / X線回折 / アノード酸化 / ポーラス型 / 電気化学測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,材料表面近傍の広視野領域に対する結晶構造分布を高空間分解能かつ短時間に可視化する技術(=X線回折イメージング)の実現を目指す。試料の位置情報保持のために,従来用いられてきた機械工作によるガラスポリキャピラリーとは本質的に異なる電気化学的アプローチとしてアノード酸化法に着目し,より高空間分解能が期待される新規X線光学素子を作製する。そして,X線回折装置に組み込むことで化学反応下における結晶構造分布変化の“その場”観察等,本イメージング法の有効性を実証する。
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研究成果の概要 |
材料表面近傍の広視野領域に対する結晶構造分布を高空間分解能かつ短時間に可視化する技術(X線回折イメージング)の実現を目指し、電気化学的アプローチからアノード酸化法(ポーラス型)による新規X線光学素子を提案した。具体的には、試料の広視野領域から発生するX線を取り込める素子面積、細孔以外に入射するX線を透過させない膜厚、ナノスケールの細孔径をもつポーラス型アノード酸化皮膜の作製を検討した。作製した酸化皮膜をX線回折装置に組み込んだ結果、X線回折イメージング法として空間分解能が向上することを実証し、さらに、相変態や酸化のような金属材料の結晶構造分布変化のその場観察へと応用させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、アノード酸化法により作製したポーラス型アノード酸化皮膜をX線光学素子として提案し、X線回折イメージング法としての性能を向上させた。従来、X線光学素子として一般的に用いられてきた機械工作によるガラスキャピラリの細孔はマイクロスケールであり、製造限界上、空間分解能の向上に制限があった。また、酸化皮膜の用途としてX線光学素子に利用する着想はなかった。よって、電気化学的アプローチによるナノスケールの細孔をもつX線光学素子の開発は、極めて独創的な原理に基づいており、学術的意義は大きい。さらに、本研究は実験室環境で実現可能であり、広範な分野の研究者が利用可能なことから社会的意義が高い。
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