研究課題/領域番号 |
21K14665
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
外山 直樹 日本大学, 生産工学部, 助教 (60845410)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 球状中空シリカ / 担持触媒 / 還元反応 / 球状中空体 / 4-ニトロフェノール / 球状中空材料 / 水質浄化 |
研究開始時の研究の概要 |
担持触媒は、担体に触媒を分散させて使うため、触媒をそのまま使うよりも高活性を示す。しかしながら、繰り返し使用することで触媒の凝集や溶出によって活性が著しく低下することが問題となっている。 本研究では、高い持続性を有する水質浄化用の担持触媒の創成を目指す。担体として高い比表面積を有する球状中空材料を用いた担持触媒を合成し、さらにこの上に多孔質材料等をコートし、担持された触媒をサンドイッチ状に挟むことで安定・固定化させる。
|
研究実績の概要 |
本申請では、高活性を維持できる触媒の創製を目指し、球状中空シリカ担持Niサンドイッチ型触媒を提案し、実施している。今回創製を目指す触媒は、均一な形状かつ高い比表面積を有する球状中空シリカを担体としてNi粒子を担持させ、球状中空シリカ担持Ni触媒を合成する。さらにその上からシリカコートすることによってNi粒子をサンドイッチ状に挟む方法で目的の触媒を得る。 2021年度の研究において、担体である球状中空シリカの粒径や壁厚といった幾何学的な構造制御を行い、それぞれの試料にNi金属を担持させて球状中空シリカ担持Ni触媒の合成を行った。このとき、粒径が小さく中空壁厚が薄い球状中空シリカにNiを担持させた試料が4-ニトロフェノールの還元反応に対して高い活性を示すことを見出した。 2022年度の研究では、最適化した球状中空シリカにNiを担持させるときのpHの検討を行い、塩基性下で担持させることで活性が向上することを見出した。さらに反応時に発生する水素を測定できるガスビュレット装置の構築は行い、同時反応で進行している水素発生量を評価できる環境を整えた。一方で最適化した球状中空シリカにNiを担持させた試料にさらにその上からシリカ層のコートを試みたが、シリカ層にNiが混在してしまう問題がありさらなる検討が必要である。また、2023年度の研究でも引き続き最適条件の探索を行い、さらに水素生成や触媒の持続性における評価を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに、担体とする球状中空シリカの粒径や壁厚といった幾何学的な構造制御を行った試料にNi金属を担持させ、4-ニトロフェノールの還元反応に対する影響の検討を行った。この検討から、壁厚が薄く粒径が小さい球状中空シリカにNiを担持させた触媒が最も高い活性を示すことを見出した。 2022年度の研究では、最適化した球状中空シリカにNiを担持させてさらにその上からシリカ層をコートする検討を行った。一方でこのシリカ層にNiが含まれてしまうなど調製条件においてさらなる検討が必要である。以上のことから、当初の計画よりやや遅れていると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度の研究計画では、粒径や中空壁厚といった構造を最適化した球状中空シリカにNiを担持させるための最適条件の検討を行った。加えて、球状中空シリカにNiを担持させてさらにその上からシリカ層をコートする検討を行った。このとき、シリカ層にNiが複合されてしまう問題があり、2023年度の研究においても引き続き検討を行う予定である。一方で、シリカ層にNiを複合化させることでも固定化できることが予想できるため、シリカ層との複合が避けられない場合は、この試料を用いて検討する。合成した試料は、4-ニトロフェノールの還元反応に対する持続性と水素生成に対する評価を行う予定である。
|