研究課題/領域番号 |
21K14670
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 浩平 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (40825197)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 脂質二重層 / 両親媒性分子 / 生体膜 / 高分子化学 / 超分子化学 / 単層二次元高分子 / 有機化学 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンに代表される単層二次元高分子は次世代の機能性材料として大きな期待を寄せられているが、その確固たる合成方法は未だ確立していない。本研究では、生物の細胞表面を覆う厚さ数ナノメートルの生体膜の特異な構造に着目し、その内部を合成反応場として活用することで単層二次元高分子の精密合成を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,脂質二重層を足場とした生体高分子合成機構から着想を得て,脂質二重層の内部を合成反応場として活用する新たな物質合成の実現を目指した.そして,中心部に触媒部位を導入した新規両親媒性分子を合成した.この触媒分子の水中における触媒活性を評価したところ,驚くべきことに同様の配位子構造を有する市販の水溶性触媒の活性を優位に上回ることが判明した.このメカニズムを検証した結果,本研究で合成した両親媒性触媒分子は水中において流動性を有する液滴状の集合体を形成し,その内部に基質分子を濃縮することで高いコンバージョンを実現していることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代までの有機・高分子合成化学の発展により,バラエティに富んだ構造の分子を合成できるようになった.これらの分野は主に新規反応の開発によって牽引されてきたが,化学合成の場に着目した研究も同様に,物質合成の可能性を広げる上で多大なる貢献を果たしてきた.一般的に合成反応は均一な溶液中で行われるが,気液・液液・固液界面を化学合成の場として利用することで,均一相では合成し得ない化学構造や,界面の形状を反映したユニークな集積構造を有する有機・高分子材料を創成できる.本研究は従来の化学合成に新たな場を提供し,従来は不可能であった物質合成の可能性を切り拓くものである.
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