研究課題/領域番号 |
21K14681
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高田 健司 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (10772171)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 桂皮酸 / 光応答材料 / バイオベースポリマー / 有機分子触媒 / リビング重合 / 末端官能基化高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
天然に多く存在するクマル酸などの桂皮酸は反応性のある官能基を1分子中に複数有しており、高機能材料の原料として有望である。しかし、多様な官能基を残したまま所望の分子構造の高分子を合成する方法は未だ開発されていない。本研究は、リビング重合法を基盤として、多様な官能基を有するクマル酸誘導体を高分子に精密に導入する方法の確立と、それらの特殊構造化による高機能性材料(生体材料やコンポジット化、紫外線応答樹脂)への応用を最終目的とする。
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研究成果の概要 |
天然・バイオ由来であるとされ、ポリマーの機能化に有望なモノマーとしてクマル酸およびその誘導体に着目して、それらの高分子化の検討を行った。ポリアミドの重合系にクマル酸を添加することで、クマル酸誘導体を主鎖構造に有したポリアミドエステルを合成することができた。m-クマル酸を用いて合成されたポリアミドエステルは紫外線に対し凸変形を示し、当該ポリマーは光応答性を有していることを明らかにした。クマル酸を高分子末端に導入する場合は、官能基化率の定量化は達成できていないが末端が官能基化されることを確認している。本研究を通して、クマル酸の光反応性とその高分子構造中における相関性に関する知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでは主鎖型のポリクマル酸(ホモポリマー)で光変形の検討が行われていたが、本研究成果のように共重合でクマル酸が一部導入されたブロックポリマーであっても、同様の変形挙動を示すという事は新たな発見であり、今後クマル酸系ポリマーの光変形挙動と分子形態との関係解明において重要な知見となった。 光によって応答・変形する材料は、大掛かりな電源設備を要さずに材料の特性を著しく変化させることができるため、デバイスの小型化や省エネルギー化技術への応用が期待される。当研究で扱うクマル酸は、バイオベースで得られる物質でありこれらの材料化及び実用化は持続可能な開発に資するものである。
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