研究課題/領域番号 |
21K14691
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 仁徳 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90812595)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 超分子化学 / 分子運動 / 固相分子機械 / 擬ロタキサン / リラクサー / 強誘電体 / 分子結晶 / 分子機械 / 結晶内分子運動 / 超分子カチオン / 強誘電性 / 固相分子運動 / 超分子科学 / 分子磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで多くの分子機械が構築されている一方で、それらを「機械」として動作させ外部に出力をもたらすことは極めて難しい。分子機械同士が向きの揃った高密度な運動を起こすことができれば、分子の運動を“機能”として利用可能だと予想できる。しかし結晶相での報告が少ないのは、結晶中では分子が密に詰まるため、そもそも分子が運動できる空間を確保することが難しいからに他ならない。申請者は、小さな軸状分子が環状分子を貫通した擬ロタキサンを含む結晶に着目し、小さな軸状分子が結晶内で運動可能な系の構築を考案した。得られた擬ロタキサンの結晶中で軸状分子が運動する結果として、強誘電性などの機能に結び付かないか、検討を行う。
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研究成果の概要 |
擬ロタキサン型超分子カチオンを用いた[Ni(dmit)2]塩を作製し、その単結晶構造解析と誘電応答との相関について検討を行った。dibenzo[24]crown-8に対し、dialkylammoniumの炭素鎖長が1-4の擬ロタキサン型超分子カチオンを導入した。炭素鎖長1, 3, 4の塩が作製可能であり、作製した塩のうち炭素鎖長3,4 の塩では、dialkylammoniumが2サイトでディスオーダーしており、結晶内分子運動が示唆された。またbis(chloroethyl)ammoniumを導入した塩では、リラクサー強誘電体類似の誘電応答を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リラクサー強誘電体は、結晶内でのナノ分極秩序に基づく。一次元鎖状に配列する擬ロタキサン型超分子カチオン集合体は、嵩高いdibenzo[24]crown-8 によって隣接鎖間の相互作用が無視できるほど小さいことが想定できる。すなわち、単一次元鎖の配列に基づく新奇なリラクサー強誘電性が実現している可能性がある。分子レベルでの低次元秩序に基づく強誘電性システムは類例に乏しく、新しいリラクサー強誘電体としてのポテンシャルを示すことができた。
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