研究課題/領域番号 |
21K14693
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
筒井 祐介 京都大学, 工学研究科, 助教 (50845592)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 磁気抵抗効果 / 有機材料 / COF / 共役高分子 / 化学ドープ / 電磁波分光法 / 有機半導体 / 電磁波分光 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気抵抗効果は外部磁場の印加に伴って電気抵抗が変化する現象であり、その発見は1856年、William Thomson(Lord Kelvin)の鉄の磁気抵抗効果測定に遡る。その後の巨大・トンネル磁気抵抗効果の発見とそれに続く研究は、現代情報社会を支える基盤技術に発展し、現在でも盛んに研究が進められている。近年ではこのような無機材料に限らず、有機半導体材料においても磁気抵抗効果が観測されつつあるが、いずれの報告も静的磁気抵抗効果の測定に留まっており、そのダイナミクスに関する研究は少ない。本研究では、有機材料の磁気抵抗効果の時間領域観測が可能な電磁波波複素電気伝導度測定法を開発・展開する。
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研究成果の概要 |
磁気抵抗効果を示す候補材料として、化学ドープされた共役高分子材料とCovalent Organic Framework(COF)の新規合成を試みた。 ドープ密度を制御した共役高分子材料については、電磁波分光法を用いてその電子状態の観測を行った。高ドープになるに従いポーラロン束縛エネルギーが小さくなり、電荷の段階的な非局在化が示唆された。 COF材料において、骨格に組み込まれたピレン部位では中心骨格と芳香環の水素の立体反発が生じているが、アザピレンへの置換により緩和することができた。電気伝導特性についても電磁波分光法により高い光過渡電気伝導度を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁気抵抗効果は、外部磁場の印加に伴って電気抵抗が変化する現象であり、近年では、無機材料に限らず有機半導体材料においても磁気抵抗効果が観測されつつある。通常このような磁気抵抗効果は特に有機材料に関して低温でしか観測できなかったが、特殊な材料系では高温領域にまで明確な磁気抵抗効果が見られており、その電子状態について興味が持たれる。電気伝導性を有する高分子材料の評価によって、電気伝導機構に関して情報を得ることができた。磁気抵抗効果の観測により、さらなる機構解明に役立てることができる。
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