研究課題/領域番号 |
21K14708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
山田 大貴 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, 研究員 (50873684)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ゼオライト / 非晶質 / PDF解析 / 放射光 / X線異常散乱 / 高エネルギーX線全散乱法 / X線異常散乱法 / 二体分布関数 / 二体分布関数解析 |
研究開始時の研究の概要 |
CO2吸着や自動車排ガス浄化触媒として注目を集めている多孔質材料であるゼオライトは、シリコン源やアルミニウム源、構造規定剤(無機カチオンや有機カチオン)、アルカリ源、水を混合した後に一定時間水熱合成することで得られるが、その過程で生成するゼオライト前駆体は非晶質であることからその結晶化メカニズムの理解はいまだ限定的である。本研究ではこれらの問題を解決するため、ゼオライト合成中の特定の元素環境の解析が可能な高速X線異常散乱法を確立し、ゼオライト前駆体構造中の構造規定剤周辺環境の可視化を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、シリコン源やアルミニウム源、構造規定剤(無機カチオンや有機カチオン)、アルカリ源、水を混合した後に一定時間水熱合成することで得られるゼオライトおよびその前駆体に対して量子ビームを最大限に活用した元素選択精密構造解析を実施し、前駆体構造中の構造規定剤周辺環境を解析した。その結果、Cs周辺環境が合成系によって特異的に異なること、またCs周辺の構造形成が比較的大きなクラスター単位で形成することが初めて明らかになった。特に本研究で重要な役割を果たしたX線異常散乱法はゼオライト前駆体において適用されてケースはこれまでなく、その有用性を世界に先駆けて示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果は日本が世界に誇る大型放射光施設SPring-8を用いて、環境触媒として多岐にわたって用いられているゼオライトと呼ばれる材料の生成過程の構造変化を詳細に解析したものである。元素選択的な新しいアプローチを用いてゼオライト前駆体の構造形成に寄与する因子を同定することで、将来的には生成するゼオライトの物性の合理的な制御へとつながることが期待される。
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