研究課題/領域番号 |
21K14727
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
|
研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
清水 剛志 米子工業高等専門学校, 総合工学科, 特命助教 (50845386)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 電極|電解液界面 / 脱溶媒和 / 金属有機構造体 |
研究開始時の研究の概要 |
リチウムイオン電池の電極反応において、活物質|電解液界面でのリチウムイオンの脱溶媒和が律速段階であり、脱溶媒和を促す活物質表面の設計が重要である。脱溶媒和を促進するには、溶媒分子の極性基がリチウムイオンよりも強く相互作用する表面が必要だが、現状ではその報告が少ない。本研究では、親水基NH2がカルボニル基と相互作用すること、および金属有機構造体(MOF)の一つMIL-101(Fe)に含まれる配位子テレフタル酸をアミノテレフタル酸に置換できる点に着目し、活物質としたMOFの親水基NH2の存在比に対する脱溶媒和エネルギーの相関から、高速充放電可能な活物質表面の設計指針を得る。
|
研究成果の概要 |
本研究では、電極|電解液界面におけるリチウムイオンの脱溶媒和の促進に基づく高速充放電の実現を目的に、鉄イオンFe3+と2-アミノテレフタル酸からなる金属有機構造体MIL-101(Fe)-NH2を正極活物質としたリチウムイオン電池を作製した。リチウムイオン電池の充放電測定と交流インピーダンス測定を行ったところ、MIL-101(Fe)-NH2はMIL-101(Fe)よりも大きな容量と小さな電荷移動抵抗を示した。これは、表面の親水基NH2と電解液分子のカルボニル基との水素結合を駆動力とし、電極|電解液界面においてリチウムイオンの脱溶媒和が促進されたことを示唆する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、脱炭素社会の実現に向けて電気自動車の普及が進められているが、蓄電池の充電時間が長いため普及率は1割にも満たない。また、電極|電解液界面におけるリチウムイオンの脱溶媒和が律速段階であり、現在の活物質開発技術では脱溶媒和を促進することが困難である。本研究では、活物質に極性基を導入することで蓄電池の充電時間を短縮できることが示唆され、電気自動車の普及に貢献するとともに、電極|電解液界面におけるリチウムイオンの脱溶媒和を促進する新しい手法を見出した。
|