研究課題/領域番号 |
21K14732
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
五舛目 清剛 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (70790476)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 水素 / 水素吸蔵合金 / 水素圧縮 / 太陽熱 / 熱駆動水素圧縮 / 太陽熱集熱 / 再生可能エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
水素吸蔵合金の水素放出圧力は温度に対して指数関数的に上昇する。この性質により、機械動力が不要な熱駆動型の水素圧縮が可能となる。本研究では太陽熱を熱源とした熱駆動水素圧縮の実現を目指し、200℃程度の太陽熱集熱特性と合金の水素放出特性を評価する。最後にこれらを組み合わせて、圧縮水素輸送圧やステーションにおける水素圧縮の低圧側を想定した1MPa以下から10-20MPaへの水素圧縮の実証試験を行う。
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研究成果の概要 |
非危険物の体心立方晶系(BCC系)水素吸蔵合金の水素吸蔵特性評価を行い、20℃での冷却、150℃での加熱により約1.0MPaから20MPaまでの水素圧縮が可能な合金を特定した。 真空断熱管式太陽熱パネルによる集熱実験では、晴天時に150℃以上の熱媒温度の到達を確認した。 太陽熱パネルから水素合金容器へ熱媒を供給することにより熱駆動水素圧縮の実証試験を行った。 その結果120℃の熱媒供給により1.0MPa未満の水素を圧縮し6MPaの水素ボンベに充填可能であること確認した。 目標圧力20MPaの達成には及ばなかったが、BCC合金と太陽熱パネルを用いたベンチスケールでの熱駆動水素圧縮の実証に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱駆動水素圧縮機は未利用熱の低質なエネルギーを回収し水素を圧縮することが可能である。熱駆動水素圧縮技術が確立されれば、機械式圧縮機からの排熱、工場排熱、太陽熱等を利用することで水素圧縮の省エネルギー化が期待される。 熱駆動水素圧縮の研究報告は合金の開発を目的とした小スケールでの合金特性評価に留まる事がほとんどであり、実証試験事例は世界的にみても多くない。これは高圧水素を取り扱う実証試験設備構築の難しさが一因と考えられるが、本研究では国内法規を遵守した安全な設備を構築した上で、太陽熱を利用したベンチスケールでの実証試験に成功しており、貴重な成果が得られたと考えている。
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