研究課題/領域番号 |
21K14739
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三木 卓幸 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (20823991)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | de novo peptide / protein assembly / in cell reconstitution / cell engineering / Nck1 / self-sorting / 液-液相分離 / 設計ペプチド / 蛋白質集積化 / 自己集合 / 蛋白質会合体 / 細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内には蛋白質の液-液相分離によって形成されるメンブレンレスオルガネラが存在し、遺伝子発現制御、シグナル伝達など様々なイベントに関連する。この相分離現象を理解し工学的に利用するためには、相分離構造を人工的に且つbottom-up式に構築することが重要である。本研究では、自己集合性ペプチドを用いて細胞内での合理的な相分離構造の構築を目指す。従来、ヒドロゲル開発で用いられてきた自己集合性ペプチドを蛋白質に融合することで、細胞内環境で蛋白質集積体を合理的に構築できると考えた。細胞内での利用に適した自己集合性ペプチドの設計指針を確立し、実際に細胞内で機能化した人工相分離構造の構築を行う。
|
研究成果の概要 |
生体内では、タンパク質が自己組織化して集合体を形成する。特に、非膜オルガネラは生化学・細胞生物学において注目されている。我々は、このような細胞内集合体を模倣し人工的に構築するために、βシートペプチドタグを利用して人工的なタンパク質集合体を形成させる技術を開発した。本手法は、疎水性アミノ酸と親水性アミノ酸の繰り返し配列からなるde novoペプチドを、標的タンパク質に遺伝工学的に融合させる。細胞内で発現したタグ融合タンパク質は、自発的に集合してクラスターを形成することを明らかとした。さらに、タグの配列を変更することにより、分配係数や構造体の物理的特性を容易に調整することができることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題で開発したペプチドタグ技術は、細胞内でタンパク質集合体を自由自在に設計し、構築する普遍的な手法である。本手法によって、細胞内におけるタンパク質集合体の機能をbottom-upアプローチ研究で調べることが可能となった。実際に、Nck1タンパク質のクラスターを人工的作成でき、クラスター形成における機能発現を細胞内で直接的に評価することに成功した。更に、わずか10残基程度のペプチドをタンパク質に導入するだけのシンプルな手法であることから、容易に多成分の集合体を構築できる。以上のことから、本研究で開発した自己集合性ペプチドタグ技術は、細胞を工学的に改変する基盤的技術になりえる。
|