研究課題/領域番号 |
21K14740
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松本 大亮 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (20889381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ゲノム編集 / CRISPR-Cas9 / Anti-CRISPR / 相同性組換え / 細胞周期 / 遺伝子修復 |
研究開始時の研究の概要 |
CRISPR-Cas9システムの登場によりゲノム編集の難易度は格段に下がったが、相同性組換えを介した標的配列における正確な修復効率は依然として低いままである。本課題では、Cas9ヌクレアーゼ(Cas9)を阻害するAnti-CRISPRと細胞周期に依存して発現量が変化するCdt1のユビキチン化に関与する配列を融合した人工Cas9阻害剤を利用することで、相同性組換え効率が向上する新規手法の発見を基に、より詳細な細胞周期と正確な遺伝子編集効率の関連性の解明を試みる。また、ここで得られた知見を基盤とし、高い相同性組換え効率を実現するゲノム編集システムの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
これまでに開発したAnti-CRISPRを用いた細胞周期依存的なCRISPRの活性化系をCas9自体の細胞周期依存的な発現制御と組み合わせることによって、相同性組換え効率に対して相乗効果が得られるのかを評価した。その結果、Cas9の細胞周期依存的な発現自体でも通常のCas9と比較して相同性組換え効率の向上が見られたが、オフターゲット作用が高頻度で起きていた。一方で、Anti-CRISPRを用いた活性化系と組み合わせることによって、相同性組換え効率がさらに向上し、オフターゲット作用も低くなることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲノム編集を臨床といった正確な遺伝子の書き換えを行う上で、相同性組換えを介した修復は重要である。本研究成果によって、細胞周期を厳密に限定したCRISPR-Cas9の活性制御によって相同性組換えの向上とオフターゲット作用の低減が可能であることが示唆された。この結果を踏まえ、より詳細な遺伝子修復とCRISPRを用いたDNA切断の関係性を解明していくことによって、より安全なゲノム編集技術の開発に貢献できると期待される。
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