研究課題/領域番号 |
21K14744
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牛丸 理一郎 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (10873648)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 非ヘム鉄酵素 / ヘムオキシゲナーゲ / シクロプロパン化 / シクロプロパン / 立体化学解析 / 酵素反応機構 / 天然物生合成 / 非典型アミノ酸 / 生合成 / 鉄酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物由来の非リボソームペプチド天然物は様々な非典型アミノ酸を構成ユニットとするため構造的多様性に富み、生物活性を示すことから、医薬品開発における利用が期待されている。 Streoptromyces griseoflavus が生産する hormaomycin は 3-ニトロシクロプロピルアラニンなど数種の非典型アミノ酸によって構成されるペプチド天然物である。本研究では同位体ラベル化実験や基質アナログの反応解析などの有機化学的手法と X 線結晶構造解析を用いて、3-ニトロシクロプロピルアラニンの生合成機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ペプチド天然物であるホルマオマイシンは構造的にユニークな非タンパク質性アミノ酸 (1'R,2'R)-3-ニトロシクロプロピルアラニン (Ncpa)を持つ 。HrmIはリシンから6-NO2-Nleの多段階酸化反応を触媒し、HrmJ は αKG の存在下、6-NO2-Nle からNcpa への脱水素型シクロプロパン化反応を触媒する。重水素化基質アナログを用いた反応解析と変異導入実験により立体化学過程とその制御を明らかにした。HrmIとHrmJのX線結晶構造解析を行い、基質の結合様式、立体選択性、触媒メカニズムに関する知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では非ヘム鉄酵素HrmIとHrmJの触媒機構の解析を行なった。HrmIはヘムオキシゲナーゲ酵素ファミリーに属するものの、そのタンパク質構造を触媒機能の相関は明らかになっていなかった。二核鉄結合型HrmIの結晶構造を得ることで、多段階窒素酸化反応の触媒メカニズムに関する知見を得た。また、HrmJは脱水素的シクロプロパン化反応を触媒するが、ほとんどの既知の鉄-αKG依存酵素は基質の水酸化反応を触媒するため、HrmJ のシクロプロパン化活性は極めて例外的である。本研究成果は既知酵素と同様の酵素活性部位を持つにもかかわらず、なぜ全く異なる反応を触媒するのかという根本的な問いの解決につながる。
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