研究課題/領域番号 |
21K14755
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
西山 康太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (40803218)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 14-3-3 / ケミカルバイオロジー / 共有結合阻害剤 / シロイヌナズナ / 気孔 / 植物 |
研究開始時の研究の概要 |
14-3-3タンパク質ファミリーは、すべての真核生物に存在し、100種類以上のタンパク質と相互作用するユニークな性質を持つ。ヒト治療薬や農薬の標的として有望であり、その阻害剤開発が盛んに行われている。しかし、14-3-3ファミリーを構成する多数のアイソフォームは非常に似た構造をもつため、特定の疾患や機能に関わるアイソフォームを選択的に阻害する方法は確立されていない。 本課題では、シロイヌナズナ14-3-3をモデルとしたアイソフォーム選択的な阻害剤の設計と合成を目指す。さらに、開発した阻害剤を用いてシロイヌナズナの成長を制御し、安定な農作物生産に貢献する。
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研究成果の概要 |
14-3-3は、あらゆる真核生物が持つ「ハブ」であるが、構造が類似した複数のアイソフォームが存在するため、個々の機能を制御するための方法は確立されていない。本研究は、共有結合型アロステリック阻害剤を用いて、そのアイソフォーム選択性の評価や改良、および植物の機能制御への展開を目指した。その結果、系統学的に区別される2種類のシロイヌナズナ14-3-3サブグループのうち、片方のサブグループに対して、より高い阻害効果を示すことを確かめた。さらに、阻害剤をシロイヌナズ ナの葉へ投与することで、14-3-3が正に作用する気孔の開口作用を阻害し、強く気孔を閉口することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シロイ ヌナズナ14-3-3の両サブグループが異なる生理的機能を示すことが示唆されているが、その詳細は分かっていない。本阻害剤は、これらを植物体内で区別して制御することが期待でき、植物を理解するための分子ツールとして有用である。また、気孔の開閉は、植物の成長や、乾燥地域での栽培など、実際の農業現場においても重要な生理応答である。本阻害剤で気孔を閉口できたことから、乾燥地域での栽培を助ける植物成長調整剤や、農作物や花を保存するための薬剤としての応用が期待できる。
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