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イネの高CO2応答におけるグリセロホスホジエステルホスホジエステラーゼの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K14757
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
研究機関東北大学

研究代表者

金 容賢  東北大学, 農学研究科, 助教 (00871188)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2021年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードイネ / 高CO2応答 / グリセロホスホジエステルホスホジエステラーゼ / GDPD
研究開始時の研究の概要

GDPD は従来リン欠乏条件で誘導される遺伝子として知られていたが高CO2環境でも遺伝子発現量が増加することが先行研究によって確認されている。高CO2環境では光合成器官である緑葉で炭水化物が過剰蓄積する。炭水化物の合成には多量の無機リン酸が使われることから、高CO2環境下の葉はリン欠乏状態になると考えられ、発現誘導を受けたGDPDはリン脂質リモデリングによりリン欠乏を緩和する機能をもつと考えられる。本研究では、高CO2によるGDPDの発現誘導が緑葉のリン欠乏に起因するのか検討するとともに、GDPDの過剰発現によるリン供給能の増強がイネの高CO2応答に影響を与えるか検討する。

研究実績の概要

今年度は、高CO2環境下で炭水化物の過剰な蓄積がGDPDの発現に起因するものなのか検討した。
高CO2処理によるイネGDPD遺伝子の発現解析をRT-qPCR法で調べた結果GDPD2と3の遺伝子の発現は処理7時間13.5時間後ともに主に葉身で上昇し、葉身の無機リン酸の含量は高CO2処理で低下した。さらにイネ葉身のGDPD活性を測定したところ13.5時間の高CO2処理で葉身のGDPD活性は有意に上昇した。これは高CO2環境で引き起こされたリン酸含量の低下がGDPD2と3の発現誘導および活性化に関与することを示唆する。
GDPD2と3の細胞内局在性を調べるためにGDPDのトランジット配列にGFPを連結した融合タンパク質をタマネギ表皮細胞で発現させ観察した。その結果、それらの融合タンパク質はプラスチドに局在するコントロール融合タンパク質の発現場所と一致することが分かった。これらの結果はGDPD2と3が光合成などのプラスチド機能に関わっていることを示唆する。
高CO2処理による葉身の炭水化物や糖リンさんの含量を測定したところ、炭水化物は高CO2処理で上昇するが、炭水化物生成の中間体である糖リンさんの含量は有意に低下した。一方、GDPDの生成物であるGlycerol-3-phosphate(G3P)を葉身の先端から添加し、10時間後葉身の炭水化物の含量を測定した結果G3Pの処理によって炭水化物が上昇した。これらの結果は高CO2処理による糖リンさんの供給量の増加がリン欠乏を引き起こし、GDPD遺伝子の発現や活性を誘導することを示唆する。さらにG3P処理による炭水化物の増加はG3Pが炭水化物の蓄積に直接関与することを支持する結果である。

報告書

(1件)
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Relationship between reduction in rice (Nipponbare) leaf blade size under elevated CO2 and miR396-GRF module2022

    • 著者名/発表者名
      Yonghyun Kim, Sumire Takahashi, Mitsue Miyao
    • 雑誌名

      Plant Signaling and Behavior

      巻: - 号: 1

    • DOI

      10.1080/15592324.2022.2041280

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 水田栽培イネの遺伝子共発現ネットワーク解析で見いだされた共発現モジュールとハブ遺伝子の解析2021

    • 著者名/発表者名
      萩野勝己,金 容賢,植田佳明,永野 惇,柳澤修一,宮尾光恵
    • 学会等名
      第62回日本植物生理学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 高CO2環境で誘導されるイネの脂質輸送タンパク質の移動および機能2021

    • 著者名/発表者名
      金 容賢,高橋すみれ,大林広明,宮尾光恵
    • 学会等名
      日本植物学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2022-12-28  

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