研究課題/領域番号 |
21K14761
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部) |
研究代表者 |
荒川 竜太 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (40761648)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ホウ素 / パプリカ / 胎座 / 隔壁 / 細胞壁 / マグネシウム / カルシウム / 尻腐れ / トランスクリプトーム / がく / 生理障害 |
研究開始時の研究の概要 |
ナス科植物のがくにおける栄養分配機構に着目し、尻腐れを始めとしたナス科植物の果実生理障害のメカニズムを明らかにすることを目的とする。果実頂端部が壊死する尻腐れは、果実内のCa欠乏が主要因と考えられているが、未だ発生メカニズムが解明されていない。本研究では、がく内に果実方向へ尻腐れに関与する元素分配を制御する機構が存在するとの仮説をたて、がくおよび果実の各部位に対し、遺伝子解析および元素の局在分析を組み合わせることで、尻腐れ発生メカニズムの解明を行う。本研究により、尻腐れ発生抑制対策のみならず、ナス科植物の他の生理障害メカニズムの解明およびその抑制対策への応用に貢献する。
|
研究成果の概要 |
ナス科植物のがくにおけるカルシウムもしくはホウ素(またはその両方)の局在が、尻腐れ発生に密接に関与しているとの仮説を立て研究を実施したところ、がくへの元素の局在や輸送体の発現変動は認められなかった。その一方で、果皮において細胞壁の硬化/軟化に関わる酵素をコードする遺伝子発現と尻腐れ発症との関係性が示唆された。また、パプリカの尻腐れは果皮と胎座(隔壁)が接合する箇所から発症していることを見出し、隔壁にホウ素が分配されないことで、隣接した果皮の細胞壁の形成がうまくいかず、尻腐れが発生している可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナス科植物における果皮の元素濃度と尻腐れ発症との関係性を調査した研究例はこれまで数多く存在するが、果実を構成する各部位の元素分配と尻腐れ発症との関係について調査した研究例はほとんどなく、さらに、胎座(隔壁)に分配されるホウ素と尻腐れ発症との関係性を見出した報告例もないため、方法論および得られた結果ともに学術的意義は高い。今後、得られた知見をもとに、尻腐れ発症を劇的に抑える技術の開発に繋がれば、ナス科作物の生産性向上に大きく寄与できる可能性がある。
|