研究課題/領域番号 |
21K14767
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩間 亮 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90793042)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 糸状菌 / Aspergillus nidulans / Aspergillus oryzae / 生体膜 / リン脂質 / リピドーム解析 / オルガネラ / ミトコンドリア / Asergillus oryzae / メンブレンコンタクトサイト |
研究開始時の研究の概要 |
リン脂質は生体膜の主要な構成成分として多様な種類が存在し、細胞やオルガネラを区画化する役割を有する。真核生物において、それぞれのリン脂質は特異的なオルガネラ膜上で合成され、細胞全体に適切に分配されている。産業上重要な生物の1つである糸状菌において、細胞内のリン脂質バランスがどのように制御されているのかは理解されていない。本研究は、糸状菌のオルガネラ間相互作用に着目し、リン脂質バランスの維持機構を明らかにすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
主要リン脂質の網羅的定量解析法を用いて、糸状菌のオルガネラコンタクトサイト因子破壊株におけるリン脂質解析を実施した。糸状菌におけるリン脂質解析の基盤として、糸状菌のリン脂質動態を詳細に明らかにするとともに、それらの合成に関わる遺伝子の経時的な転写変動を明らかにした。解析を通して、分生子の発芽時にホスファチジルエタノールアミン(PE)が増加することが示され、PEが発芽時の正常なミトコンドリア形態を維持するのに必要な可能性が示唆された。また、ミトコンドリアを中心にオルガネラコンタクトサイト形成に関わる因子の欠失株のリン脂質組成を解析することにより、いくつかの欠失株で共通してPE量が減少した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間生活と密接に関わる微生物の一つである糸状菌において、これまで精力的に研究が行われていなかったリン脂質組成を詳細に明らかにした。糸状菌の産業利用における重要な特性である細胞外タンパク質分泌には、これらリン脂質を主な構成要素とする生体膜動態が重要な要素となる。本研究では、さらに細胞内の膜同士の関連に関わる因子の解析も行った。本研究は、糸状菌の重要な細胞基盤の一つを明らかにするものである。
|