研究課題/領域番号 |
21K14773
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
清 啓自 宮崎大学, 農学部, 助教 (80780767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ストレス耐性 / Clostridium / アデニン / 芽胞 / Clsotridium / 1 / アデニン代謝 / ブタノール / 発酵 / 核酸代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
全ての生物は自身の周辺環境から受けるストレスに適応しながら活動、生存し繁殖していく。環境から受けるストレスとは避けられないものであり、そこへ如何に適応できるのかが結果として生物の種の強さを決定づけているといえる。 これは単細胞生物である微生物においては尚更であり、特に発酵に用いられる微生物では如何にこのストレスによる発酵の低下を避けるかは生産性を左右する極めて重要な課題である。本研究では発酵性の微生物においてストレス環境下における核酸などの主要代謝物の外的な供給および生合成の強化によって、ストレスに対してもストレス耐性を付与することが可能であるかを分子生物学的アプローチによって試みる。
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研究成果の概要 |
Clostridium saccharoperbutylacetonicum N1-4株は37℃では熱ストレスにより芽胞を形成し休眠するが、アデニンの添加により芽胞形成が抑えられ、菌体増殖とブタノール発酵が回復する。TEM観察により37℃では細胞膜が細胞壁から剥離する異常構造が見られたが、アデニン添加でこれが緩和された。一方、アデニンデアミナーゼの破壊によりアデニンの主要代謝経路が明らかになったが、アデニンなしでも耐熱性を獲得し、未知の機能を有する可能性が示唆された。また、アデニンは他種微生物でも細胞増殖において熱ストレスを緩和し、核酸代謝を活用した発酵産業への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
醸造などに用いられる微生物は発酵条件かにおいては、様々なストレスに曝露されている。この様なストレスは発酵を抑制する因子となり得、その因子の解消は発酵効率の向上において重要なものである。本研究では核酸塩基のアデニンの補助によってストレスによって生じる細胞構造の変化を抑制することを示し、細胞外栄養素すなわち培地によって発酵条件のストレス緩和が可能であることを明らかとした。また、乳酸菌の様な食品に用いられる微生物においてもアデニンで熱耐性が向上する傾向がみられたことから、本法の応用によって核酸代謝の変化による発酵効率の向上が期待できる。
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