研究課題/領域番号 |
21K14780
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻井 雅 東北大学, 工学研究科, 助教 (30865887)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | シアノバクテリア / 葉緑体 / 光合成 / イオン輸送体 / ポリアミン / 輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は外部から得られる光エネルギーに応じて多様な光合成制御機構を保持している。これまで、チラコイド膜内のプロトン濃度が過剰な光エネルギーを散逸するために重要であることが知られている。我々は新規の光合成制御機構を明らかとするために、ポリアミンに着目する。これまでポリアミンは翻訳調節や抗酸化活性は知られているが、光合成の制御機構はこれまで明らかでない。また、チラコイド膜を介した物質輸送にも着目し、多様な基質の輸送経路による光合成制御機構の解明をめざす。
|
研究成果の概要 |
本研究では、植物葉緑体や葉緑体の祖先である藍藻の光合成制御機構の解明を目指した。チラコイド膜内外のプロトン濃度は光合成電子伝達を適切に制御するために重要な要素となる。生理活性物質の一つであるポリアミンはアミン基を複数持っていることから、細胞内 pH によってはプロトンの緩衝剤となりうる性質を持っている。申請者は、ポリアミン合成酵素を精製し、活性測定を行い、藍藻内におけるポリアミン生合成経路を特定することに成功した。また、プロトン輸送体の解析も同時に行い、光合成電子伝達の調節に重要なプロトン輸送体の局在、輸送活性を明らかにすることにも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物や葉緑体の祖先である藍藻は生態系の一次生産者であると同時に、大気中の二酸化炭素を有機物へと変換できる光合成生物である。光合成生物の成長・環境応答機構の解明は現代社会の課題となる大気中の二酸化炭素濃度の上昇や食糧不足を改善するために必須となる。本成果により、藍藻光合成活性に寄与すると考えられるポリアミンの機能同定を行うことに成功した。また、光合成活性に重要なプロトン輸送体を明らかとした。これらの成果は光合成モデル生物となる藍藻の成長・環境応答機構を解明し、食料問題や地球温暖化の改善に繋がる。
|