研究課題/領域番号 |
21K14781
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
永嶌 鮎美 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (20814461)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 嗅覚受容体 / 輸送体 / トランスポーター / アクアグリセロポリン / 異所発現 / 短鎖脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、腸に発現する輸送体の新規輸送基質の同定と、その活性調節における嗅覚受容体の関与を検証することで、非嗅覚組織に発現する嗅覚受容体のリガンド(短鎖脂肪酸)輸送機構を解明する。 腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は、鼻以外に発現する嗅覚受容体に受容され、代謝や血圧の調節といった生理機能に関わることが明らかとなってきた。しかし、どのような分子によって短鎖脂肪酸が取り込まれ、受容体に到達するのかは不明である。また、腸に発現する受容体の活性化が、短鎖脂肪酸の取り込みに与える影響も明らかではない。本研究によって、非嗅覚組織に発現する嗅覚受容体が、短鎖脂肪酸へ応答する分子基盤が明らかになると期待される。
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研究成果の概要 |
嗅覚受容体は、鼻腔の奥に位置する嗅上皮だけでなく、非嗅覚組織にも発現する。しかし、生理的な濃度の生体内リガンドが、受容体の活性化に必要な濃度で存在するかはほとんどが不明である。情報解析により、非嗅覚組織に発現する嗅覚受容体とその近傍で発現する輸送体を見出した。また、小腸頂端膜側に発現する輸送体(アクアグリセロポリン)に関し、これをコードする遺伝子が条鰭類の祖先においてタンデム重複した後、進化の過程で輸送基質選択性が変化したことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アクアグリセロポリンにおける水以外の輸送基質選択性を生み出す分子機構についてはほとんど明らかになっていない。本研究成果はこれを解明する手掛かりとなり、他のアクアグリセロポリンの基質選択性に関する理解も大きく前進させると想定される。将来的には、新たな輸送基質の発見や、薬剤による輸送制御などへの応用が見込まれ、比較生理学分野のみならず栄養学分野などを含めた広範な学術領域への波及効果も期待される。
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