研究課題/領域番号 |
21K14782
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高村 映一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (30843015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 直接電子移動型酵素 / 電気化学スクリーニング / 酵素分子設計 / 多変量解析 / 酵素改変 / 耐熱性酵素 / 生物電気化学 / 酸化還元酵素 / マルチ銅オキシダーゼ / 主成分分析 / 変異体設計 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオエレクトロニクス用デバイス構築では、性能向上のために電極触媒として優れた酸化還元酵素を用いる必要がある。従来の変異体スクリーニングでは、通常の酵素活性測定が用いられる。しかし、通常の酵素活性測定での評価と酵素電気化学反応に基づく評価では電子授受対象が異なるため、デバイス用酵素改変のための適格な情報を得ることが困難である。本研究では、酵素電気化学反応に基づくスクリーニングを行った上で、さらに電極触媒活性、アミノ酸特性等の大量の情報を主成分分析によって評価し、改変部位の情報を求めたい酵素電気化学反応の向上へ結びつけることで、デバイス用酵素の高性能変異体のための新しい設計指針を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、酵素-電極間での直接電子移動が可能な直接電子移動型酵素の酵素電気化学反応の向上を目指した。ランダム変異体ライブラリに対して従来の酵素活性スクリーニングではなく、電気化学スクリーニングを実施し、スクリーニング結果から変異体ライブラリを階層クラスター分析によって分類したところ、優れた電極触媒性能を示す変異体と似た性質を示す変異体には類似した変異が導入されていた。酵素の酸化還元電位に焦点を当て、変異導入による酸化還元電位への高影響部位を特定し、飽和変異ライブラリを作製・評価したところ、配列空間全体の0.1%のスクリーニング数のみで酸化還元電位が約70 mV変化した変異体が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によって、直接電子移動型酵素における電気化学スクリーニングの重要性が示された。また、本研究における高影響部位の特定までの手法は、これまでの指向性進化法における大量のスクリーニングや、部位特異的変異導入法における構造的知見を必要としない。そのため、一次配列と機能さえ明らかであれば少ないコストで性能向上変異体を得ることが可能となり、新規酵素の実用化までの時間短縮などに貢献すると考えられる。
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