研究課題/領域番号 |
21K14783
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
秋月 一駿 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 助教 (50881299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | プロテインキナーゼ / 乳がん細胞 / CaMKIδ / Ca2+シグナル / キナーゼ / 乳がん / CaMKP / ホスファターゼ / 糖尿病 / CaMキナーゼ / 病態生化学 |
研究開始時の研究の概要 |
カルモジュリン依存性キナーゼ Iδ (CaMKIδ) の生理機能については不明な点が多いが、近年、CaMKIδ 遺伝子領域の一塩基多型や遺伝子重複による CaMKIδ の過剰発現が、2 型糖尿病や悪性乳がんの発症と密接に関わることが示唆されている。しかしこれまで CaMKIδ の生理的基質はほとんど報告されておらず、CaMKIδ がどのような分子メカニズムでこれら疾病に寄与しているのかは明らかでない。本研究では、申請者らが以前に開発した CaMKIδ の活性断片と網羅的な基質探索法を組み合わせた解析を行い、糖尿病と悪性乳がんの発症に結びつく新経路「CaMKIδ 経路」の解明を試みる。
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研究実績の概要 |
プロテインキナーゼ Iδ (CaMKIδ) は Ca2+シグナルの下流で機能する Ser/Thr キナーゼである。乳がん患者を対象とした発現プロファイリングから,CaMKIδ の遺伝子重複が basal-like 乳がんの発症と関連する可能性が示唆されている。またこの遺伝子重複は CaMKIδ の過剰発現を引き起こすと考えれられており,結果として乳腺上皮細胞の上皮間葉転換 (EMT) を誘導する可能性が示唆されている。CaMKIδ を標的とした悪性乳がんの予防・治療法開発のためにも CaMKIδ 経路の解明が必要である。 本研究ではまず,抗体を用いたウエスタンブロッティングにより,各種乳がん細胞における CaMKIδ の発現解析を実施した。その結果,CaMKIδ は basal-like 乳がん由来とされる MDA-MB-468 細胞において高発現していることが判明した。また興味深いことに,MDA-MB-468 細胞内 CaMKIδ は他の細胞で発現している CaMKIδ と比較して SDS-PAGE における移動度がわずかに小さかったことから,MDA-MB-468 細胞で発現する CaMKIδ はスプライスバリアントまたは高度なリン酸化といった翻訳後修飾を受けている可能性が示唆された。また乳がん細胞における CaMKI 経路解析の一環として,CaMKI を基質とする脱リン酸化酵素 CaMKP の阻害剤を MDA-MB-231 細胞に処理したところ,細胞内在性 CaMKP を阻害した結果,乳がん細胞の遊走が顕著に阻害されることが明らかになった。このことから,CaMKI が乳がん細胞の遊走に関与する可能性が強く示唆された。さらに,ピロガロール骨格を持つ CaMKP 阻害剤がカルボニル化を介して酵素を不可逆的に不活性化することを発見し,英文国際誌に論文を発表した。
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