研究課題/領域番号 |
21K14786
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村田 和加惠 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30613707)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ミトコンドリア / 微小管 / 出芽酵母 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病やハンチントン病などの諸疾患において、ミトコンドリアの融合・分裂による形態異常の関与が報告されている。しかしながら、ミトコンドリアの融合・分裂においては解明されていないことが多い。一方、微小管は細胞分裂等において重要な役割を果たし、近年ではガン治療など多くの分野で治療のターゲットとして注目を集めているオルガネラである。本研究では、出芽酵母におけるミトコンドリアの融合・分裂と微小管の関係について研究を進める。
|
研究実績の概要 |
真核生物の主要な細胞骨格の一つである微小管は、細胞の形態維持や、細胞分裂などの多様な細胞機能において重要な役割を担っている。一方でミトコンドリアは、細胞分裂に必要なエネルギー供給などを担い、融合・分裂を繰り返すことで自身の形態を維持している。ミトコンドリアの融合・分裂に関わるタンパク質はいくつか同定されている。しかし、微小管との関係についての研究報告はほとんどなされていない。本年度は、微小管重合阻害剤であるthiabendazoleを出芽酵母に添加し、ミトコンドリアの融合・分裂異常がどのような割合で生じるのかをGFPを用いて細胞内での局在を観察することによって検証を行った。その結果、thiabendazole添加細胞においては融合異常によって生じる分裂したミトコンドリアが観察され、微小管の伸長阻害も確認された。さらに共焦点顕微鏡で観察を行った結果、thiabendazole添加細胞においてはミトコンドリアが細胞膜の内側に局在することが確認されたこのことから、微小管はミトコンドリアの融合・分裂と関係性があり、さらにミトコンドリアの局在にも影響を与えると考えられる。また、蛍光顕微鏡観察の結果、thiabendazole添加細胞において、コントロール細胞よりも蛍光が強い傾向が観察されたため、reverse transcription PCR(RT-PCR)を用いて発現量を調べたところ、コントロール細胞と比較して、thiabendazole添加細胞において、わずかであるがミトコンドリア関与遺伝子の転写量の増加が確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に予定していた研究執行計画を順調かつ確実に遂行させており、その結果も良好・明確である。 よって、「研究の目的」の達成度は、おおむね順調に進展していると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
Thiabendazole添加細胞において、ミトコンドリア関連遺伝子の転写量の増加が観察されたことから、他の種類の微小管重合脱合阻害剤添加細胞においても、ミトコンドリア関連遺伝子の転写量に変化が生じるのか実験を行う。 また、微小管重合阻害剤であるthiabendazole添加細胞において、細胞内の局在の変化が見られたことから、出芽酵母において、ミトコンドリアの細胞内輸送に関与するとされているアクチンについても研究をすすめていく。さらに、微小管脱重合阻害剤添加時におけるミトコンドリアの融合・分裂に関与するタンパク質と微小管の関係について研究を行っていく予定である。ミトコンドリアの融合・分裂に関与するタンパク質は数多く知られている。しかしながら、これらのタンパク質と微小管の関係性は調べられていないため、微小管とミトコンドリアの関係について、微小管が直接ミトコンドリアに作用するのか、あるいはミトコンドリアの融合・分裂に関与するタンパク質と作用するのかを調べていく。RT-PCRによって、微小管脱重合阻害剤を添加した場合のミトコンドリアの融合・分裂に関与する遺伝子のmRNAの発現量を調べ、その後GFP結合酵母株を用いて微小管阻害剤存在下における局在を蛍光顕微鏡で観察を行う。さらに、特徴的な挙動が観察されたタンパク質において、遺伝子欠損株を用いて、微小管重合・脱合阻害剤添加時のミトコンドリアの形態についても観察を行っていく。632
|