研究課題/領域番号 |
21K14787
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
小林 淳 国立感染症研究所, インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター, 研究員 (00834433)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス1型 / 病原性因子 / 宿主因子 / 複合体立体構造解析 / 増殖機構 / 単純ヘルペスウイルス1型 / 構造生物学 / 立体構造解析 / 単純ヘルペスウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)のタンパク質γ34.5はI型インターフェロンを無効にすることでウイルス増殖の中心的な役割を持つ。その立体構造の解明は次世代のヘルペスウイルス感染症治療薬・ウイルス療法薬の開発双方に極めて大きなインパクトを与える。本研究では、次世代創薬の加速に向けた基盤情報を取得するために、γ34.5単独とγ34.5が標的とするヒトタンパク質との複合体立体構造を決定し、HSV-1の増殖機構をタンパク質構造レベルで明らかにする。
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研究実績の概要 |
単純ヘルペスウイルス1型 (HSV-1) は主に口や唇などに水疱 (口唇ヘルペス) を引き起こすウイルスである。HSV-1は病原体である一方、腫瘍細胞のみを破壊するよう改変し、標準治療と比較して極めて有効な抗がん剤 (ウイルス療法薬) として応用された。承認されたウイルス療法薬に続き、新たな改変が導入されたウイルス療法薬が開発途上にある。こうした背景からHSV-1研究の重要性は高まっている。本研究ではHSV-1の増殖において中心的な役割を持つγ34.5とγ34.5が標的とするヒトタンパク質複合体の立体構造を決定し、HSV-1増殖機構の一端を明らかにする。 γ34.5の大量発現・精製系の構築を様々な手法を用いて行ったが、結晶化条件のスクリーニングに使用できる量のγ34.5を得ることはできず、γ34.5単独の立体構造解析は断念した。次いで、ヒトタンパク質protein phosphatase 1 α subunit(PP1α)の大量発現・精製系を構築し、PP1αと結合すると考えられるγ34.5の領域をペプチド合成した。これらを混合し、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー/SDS-PAGEで結合することを確認し、γ34.5ペプチド-PP1α複合体の調整条件を確立した。このγ34.5ペプチド-PP1α複合体の結晶化条件スクリーニングを行い、複数条件で結晶が得られた。また、そのうちの1条件はPP1α単独では結晶が得られず、γ34.5ペプチドを添加した時のみ結晶が得られたため、目的とする複合体の結晶である可能性が強く示唆された。
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